残業という概念に違和感がある

これは別に猛烈に働け!とか怠けてるんじゃねえ!という様な暴君的な発言ではなく、そもそも残業という概念があまり理解できないから出てくる言葉です。

言葉としては理解していますし、事象としても理解できます。ただ、くまおさんの仕事環境には当てはまったことがない為、肌感覚として認識できないのです。

新規開拓営業マンには残業という概念がありません。(少なくともくまおさんはそう認識しています)というのも顧客獲得をする事そのものが仕事である為、獲得が出来なければただただ暇です。暇にしてようと思えば動かなければいいだけです。ただ、そのうちクビになります(笑)
ですから残業せずに帰るというのは特段難しい事ではありません。(※帰りにくい空気感がある為仕事をしているフリをすることは多々ありました。これは残業とは言わないよね?)

こなさなければならない仕事が目の前に潤沢にあるタイプの人であれば、仕事時間と仕事量に関してのバランスで残業する事はあると思います。例えば、経理関係の仕事やお役所の処理係とか、建築の現場作業員や監督などは残業という概念が当てはまります。「そんな時間で終わるわけないだろ!」と言う発言も十分に理解できます。

ただ、残業の概念が当てはまる人は「新規開拓営業」ではないケースがほとんどで、仕事獲得のストレスには晒されていない(※ほかのストレスが当然あると思いますが)業種ではないかと思うのです。

くまおさんは基本的には作業員経験がない為、残業という概念を持っていません。疲れたら休むし、精神的に厳しくなればスピードダウンします。そのさじ加減は売り上げと相談しながら行うし、月末に売り上げ不足で困るだろうと思いながらもサボってしまう事もあります。その結果月末に上司から罵詈雑言を浴びせられる事になりますが、それは想定の範囲内です。

また、そもそも何をすれば新規獲得を増やせるのかが分からず、手のつけようがない為、暇であるという事もあります。そういった時は、ネットでステルスマーケティングを展開し続けるのですが、これはあくまでも仮定で作業している為、それらが確実に効果を発揮するとは断言できない作業です。ですから、その作業をしていなかったとしても誰からも何も言われません。でも、何か種まきをしておかないと将来刈り取る作物がないという事になるのも分かっています。こんな事情を抱えていても、そもそもその種が作物を実らせるかどうかすら確約がないというのが新規開発営業の仕事です。

くまおさんは長らくこの様な仕事を続けているので、慣れっこですが、「目下、やる事が無いけれども数字を出さなければならない、だから何かやらなければならないけれども、何をやったらいいのか分からないし、誰も教えてくれない。でもやっぱり数字を出さなければクビになる。」という感覚は残業という概念が入り込む余地がありません。残業ってな何?それ食べれるの?という位日常では感じることない感覚なのです。

世間の経営者の方はこのような感覚をお持ちなのではないでしょうか?

大企業などで「19時には全館消灯します!以後仕事禁止!」みたいは標語を掲げるケースがあります。でもね・・・新規開発営業が「よし、時間だから帰るか~今日も特に新しい事は思いつかなかったな~でも時間だから帰ろ♪」という感じで働いていたらいずれ会社はつぶれると思います。それでも潰れない様に運営する為には、社長やその他幹部が必死になって「根本的な営業先開拓を明示」「顧客の池の地図は配布」「見込み客の絶え間ない送客」を行わなければならなくなるでしょう。でもそうなると、今度はその幹部には残業という概念は適用されないという事になります。

ですから、残業禁止という標語はその背後で誰かが絶え間ない送客をし続ける事で成り立つといえます。そして送客担当には残業という概念がないわけです。

逆にそれら幹部は効果的な送客手段を見つければ、仕事量を大幅に減らせる可能性もあります。だからこれらを「高プロ」と言って括るのかもしません。

だからなのか、国会での「働き方改革」の議論に不毛感を感じます。そもそもそういう問題なのかな?と。残業に見合った給料が出ないから問題になるだけで、それに見合った給料が支給されれば問題は減るような気がしてなりません。じゃあ、なぜ給料が上がらないのか?という話になれば失われた20年が云々という事になって、さらに下流まで下ると日本の教育は云々という話になりそうです。

残業自体が問題なのではなく、残業代を出せるほど儲けられなくなってきた日本の会社それ自体に問題があるはずですが、議論がすり替わっていますね。

モリカケや日大、次官のセクハラも大事かもしれませんが、インターネットのおかげで世界の垣根が低くなった現代において、日本の価値を高く保つための外交の方が大事だと思うのはくまおさんだけでしょうか?円高でいいじゃない?自国通貨が高く評価されていた方が長い目で見れば価値があると思います。

先日韓国出張があり、街中を徘徊していて気が付いたことがあります。物価が日本と変わらないという事です。25年ほど前に韓国に行ったときは、物価は日本の6割くらいでした。韓国はこの25年で国民生活や所得を日本並みに押し上げてきたわけです。でも日本は・・・

残業がどうとか、そういう次元の話で無いと思うんだけど・・・違うのかな?