浪花節、真心、思いやり、誠実は演出できるという話

世の中には頭のいい人が沢山いて、ビジネスでは、多くの場合で「あの人は優しい」とか「思いやりがある」とか「義理堅い」というのは勘違いです。

すごく嫌な話をします。くまおさんはある仮説を立てたことがあります。訪問販売員時代の顧客傾向も踏まえて考えていたことです。

「バカや情報弱者は財布のひもが緩い。」

くまおさんはウォーターサーバーという消費財を販売しており、どういった人がウォーターサーバーを買ってくれるのかと常に考えていました。そして、別部門に入社した、有名大学のMBAホルダーの後輩に聞いたことがあります。

くまおさん「アメリカって不景気になっても、すぐにバブルで好景気に戻るよね?その間日本はずっと景気低迷じゃん。アメリカ人は宵越しの金は持たない的な人が多いと聞くけれども、それは学力の低さ故の先の見通せなさと相関があったりするわけ?先のことが計算できなくて買っちゃうとか。ざっくりいうとバカって、沢山買ってくれるの?そういう研究とか書籍ってない?」

MBA後輩「そうですね・・・学力と消費の関係を説明している直接的な本はわからないのですが、こんな本はどうでしょうか?」

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ドンピシャの内容ではなかったものの、「見せ方」によって商品の価値は大幅に変わるという事が証明されている本でした。

さて、ビジネスにおいて「義理人情に厚い」というイメージは作り上げることができます。くまおさんが現在行っている化学品事業において、事業を全画面に任されるにあたってオーナー陣と意見の相違が多々ありました。それはくまおさんのウェブ営業(飛び道具営業)についてです。

オーナー陣は直接訪問、電話営業をして顧客と顔を合わせて足で稼ぐ営業が信頼を生み、売り上げを作ると信じて疑っていない人々でした。しかし、実際にはそれを行う資金もなければ人もいないという事で、絵に描いた餅でした。

くまおさんはオーナー陣から散々と営業に関する方法をレクチャーされました。絶対に意味がない、効果がないと分かっている方法を延々と言われるわけです。これは結構きついです。何故ならセールスに関してはくまおさんのほうが完全にプロであり、経験も多いからです。でも、年長者の意見は一応聞かなければなりません。

それら意見を無視してウェブでステルスマーケティングで自作自演をしまくったところ、効果が出始めました。ちなみに、自作自演を行っていることはオーナー陣には内緒です。

こういった事が年中あるので、くまおさんは群れるのが嫌いです。人脈が~とかいう奴が大嫌いです。人脈などというものは使えるだけの器量が自分になければ意味がなく、本当に使える人脈というものはいざという時まで使わないものです。だから言わない。

ライオンズクラブ、ロータリークラブ、青年会議所、倫理法人会、商工会青年部、異業種交流会等々・・・くまおさんよりもセールススキルの明らかに低いであろう年長者にアドバイスをもらうのが本当に嫌いです。くまおさんの想像の外側のアドバイスをもらえたことは今まで一度もありません。

もし、この記事を読んでいる起業間もない経営者の方がいるならば、是非伝えたいことがあります。それは、「年長者や先輩、周りの人が言うアドバイスを聞く必要は一切ない。自分で信じた道を突き進むべきである。」という事です。世間では「どんな人や意見にも学ぶべきものがある」という事が言われますが、学べない事も同時に流れ込んできてしまい、それらを選別したり、排除したりする時間やデメリットを考えると、聞かないでいいと思います。

ただし、目標が明らかであって、その先に進んだ人からのアドバイスは役に立つことがあると思うので、受けるべきでしょう。しかし、起業間もない経営者の場合、そんな人と語り合えるポジションにいることはまずないので、人の意見は聞かないとう事で問題ないと思います。

さて、実は「義理人情に厚い」と認識する状態を分解すると幾つかの事象に分けることが出来ます。何故人は、その人に対して義理人情に厚いと感じるのかには必ず理由があるからです。ほとんどの場合でそれは接触頻度です。単純に面談回数が多いとそのように感じます。直接面談が出来ないのであれば、電話するなり、メールするなり、手紙を書くなりで接触回数を稼げば「義理人情に厚い」と勘違いしてもらえます。多くの人が「義理人情に厚い」という事を口で説明できないのは、特に理由がなく何となく考えているからです。

多くの人が、浪花節、真心、思いやり、誠実と感じる理由を明確には説明できません。それらはすべて「何となくそう思う」からです。とても不安定な根拠です。ですから、それらを意図的に崩したり、入り込もうとする人々が世の中にはたくさん存在します。優秀なセールスマンはそれらの感情を意図的にコントロールしようと常に頭をひねっています。結婚詐欺師もそうですね。だから、営業マンは詐欺師と同列に考えられることが多いのかもしれません。

現在くまおさんお父さん(建築士)が、新築食品工場建設のアドバイザーとしてコンサルティング契約している案件があります。数社でコンペティションを開催しているのですが、決定に大きな影響を与えるくまおさんのお父さんへのアプローチは結構生々しいです。ある企業は「先生への謝礼は何%お支払いすればよいでしょうか?」と直接聞いてきます。断っても「ビジネスですから、いつでもお申し付けください。」と言って帰って行きました。ちなみにTVCMも流している大きな会社です。

コンペでは公平を期すために質問はメール、面会禁止、提案は郵送と通達していますが、電話をかけてきたり、面会を依頼してきたり、郵送ではなく手渡しでもってきたり・・・と各社必死です。これ自体は良い傾向だと思います。

そこでお父さんが疑問に思っています。「なんで彼らはルール通りにやらないのか?面会はしないと言っているのに、アポイント交渉してくるし、郵送で送れと言っているのにわざわざ持ってくるし・・・あれは失礼なのではないか?」と。

くまおさん「それは、少しでも情報を取りたい、誠実な印象を与えたいと考えているからだよ。」

お父さん「でも、通達したとおりに対応していないんだよ?」

くまおさん「そこは、程度問題なんだけど、実際にそれらの行動に対してお父さんはどう感じているの?ルール通りに動いている会社と、積極的にアプローチしてくる会社で印象が違わない?むしろアプローチしてくる会社に、誠意や真心、浪花節を感じて好印象を受けていない?」

お父さん「確かに・・・一生懸命だなと思っているね。」

くまおさん「でしょ。という事はルールを破っても接触頻度を上げることで彼らは信頼を勝ち得たんだよ。流石にその辺りは彼らもプロだよね。いい塩梅がわかっている。実は誠実さっていうのは意図的にコントロールできるんだよ。だから、根拠のない(浪花節、真心、思いやり、誠実)というのは信用してはならない。」

この例からも分かるように、多くの人が判断の拠り所としている(浪花節、真心、思いやり、誠実)という感覚というのはとてもあやふやで、危なっかしいものなのです。明確な理由がないのですから。

くまおさんは現在の化学品部門の仕事をするにあたって、「お前の言っていることは正しいけれども真心が足りない。俺らは浪花節で仕事をしてきた。」とさんざん言われました。

浪花節という語句で一括りにするのは、セールスを科学的に捉えているくまおさんにとっては美徳ではなく、セールスの冒涜です。こっちはプロのセールスマンです。何となくで意見を言っていい相手ではありません。東大数学科の教授に九九を習いに行く奴はいないはずです。ただ、悲しいかな「プロのセールスマン」というのは社会には認識されていません。ダメリーマン、ブラック企業営業も全部含めてセールスマンです。

話は飛びますが、くまおさんの展開している仕事がTVで放映されます。くまおさんは出演しないのですが、結構な尺で全国放送されることになりました。これはひとえに、協力してくれる皆様のおかげ・・・ではなく、間違いなくくまおさん個人の頑張りによるものです(笑)

ちなみにお金は1円も払っておらず、むしろ製品を定価で購入してもらいました。

どうやったらメディアに取り上げてもらえるかを常に考え(PR会社の知人に教えてもらい、書籍を買ったり、プレスリリースを書いたり)、ウェブでステルスマーケティングすること約5年、Youtube動画を大量投下すること2年、外国語ウェブサイトを大量投下する事半年。顧客対応、セールスはほぼ一人で行い続けています。上記の行動も誰に聞いても教えてくれない、知識がないので自分で調べて学び、頑張りました。ですから、この結果は紛れもなくくまおさん個人のおかげです。

ちなみにくまおさんからアドバイスをもらいに行った人が2人います。1人は高校時代のサッカー部の友人で現在はアフィリエイター。もう一人も高校時代の友人で現在は司法書士。二人とも社交性が極めて低い変わり者ですが、卒業以来ずっと付き合っています。ありがとう!

ちなみに、上記のテクニックはビジネスである程度限られた期間で仕事が完結する場合にのみ使うべきです。長期間使い続けるとボロが出てバレます。バレると印象が逆転してしまうので最悪です。長期間のお付き合いになる場合は、本当の意味でしっかりと誠実に対応するべきです。上記テクニックを家族や近しい人に使用すると「あなたの言っていることは正しいけど、そういう事じゃないの!いぃーーーーー」とヒステリーを起こされますのでお気を付けください。

PS 最近気になるコールドリーディング

  • コロナウイルスでは高齢者が重症化しやすい。
  • 日本では若者の死因の1位が自殺である。

高齢者はコロナウイルスに限らず、骨折でも、風邪でも重症化しやすいし、そもそも若者は病気で亡くなる確率は低いので相対的に他の年代よりも自殺が上位になる。自殺者絶対数はむしろ若者のほうが低い。最も多いのは50代で10代の500%である。(2018年データ)先進国はどこもで大体傾向は一緒。

こういう記事を書いていると、自分でも性格悪いな~と思います・・・。だから、なるべく口では言わず、記事にしているのでどうかご理解ください。主張の発散。