埋めがたい能力差がある場合どうする?

以前にも似たような記事を書いたことがあるのですが、能力に個人差があるという事は広く知られています。
ところが、これが勉強の事になると認めてはならない風潮があります。
勉強ができる人は努力した人であり、勉強が出来ないのは努力が足りないからであるという都市伝説が信じられています。
しかし、簡単に東大に入る人もいれば、死に物狂いで東大に入る人もいるのは紛れもない事実であり、勉強時間と成績の関数がどんな人でも等しい角度で上昇するとは限りません。

さて、くまおさんはお父さんと一緒に仕事をしています。
お父さんは30代で独立して以来、ごく短いサラリーマン期間を除き、ほぼ「社長」でした。そして現在でも社長です。
そんなお父さんの会社に入社したのですが、入社当初から埋めがたい能力差に困っています。

別の記事でも書きましたが、中小零細企業の社長は基本的なビジネススキルが低い場合が多いです。

管理やコントロール、推測等のあらゆるビジネスヒーンでくまおさんの方が能力が圧倒的に高いという紛れもない事実があります。その為、お父さんの失敗を前もって推測し静止します。しかし、本人は何故止められているのか理解できないためキレます。
しばらく時がすぎるとくまおさんの想定通りの問題が発生し、くまおさんが正しかったことが証明されるというデジャブを何度も経験しています。本日も同じことが起こりました。

ここでふと思ったことがあります。

「サラリーマンと経営者ってどちらが大変なのかな?」

これは一般的には「経営者」と答えることが正解です。多くの場合でそうだと思います。しかし、そうではないケースもあるということが分かってきました。こんな事例です。

ある仕事の進め方をお父さんが実行しています。お父さんよりも能力が圧倒的に高いくまおさんが見ているととても非効率な方法です。その為、やり方を改めるように指摘しました。するとこんなことを言い出します。

お父さん
「お前は俺のことを見下して信用していないのか!」
くまおさん
「そうだね。その仕事に関しては信用していない。でも仕方がないだろう。埋めがたい能力差があるんだから。そしてそれは仕事なんだから。俺の言っているとおりにやった方が早いし間違いないから、言うとおりにしろよ!それはさんざん証明してきただろうが。」
お父さん
「じゃあ、お前がやればいいだろう!」
くまおさん
「そんなこと言ったらお父さんの仕事がなくなって給料取れなくなるだろうが!」
お父さん
「かまわん!」
くまおさん
「かまわんわけ無いでしょ・・・出来もしないことを軽々しく口にするなと何度言えばいいの?」
お父さん
「・・・プンプン。」

とまあ、こんな感じになるわけです。
この事象に関して過去に何度も発生しており、100%毎回くまおさんの勝ちになるのでなんで歯向かってくるのは理解不能なのですが、もしお父さんがサラリーマンだった場合に同じようなことが起こったら、きっと我慢できずにクビになるだろうなと思ったのです。

中小零細企業の社長には上司がいません。
その為、叱る人はいないのです。お父さんも同じで、30代前半で社長になったため、お父さんのことを叱る人はいませんでした。ですから叱られたり、ミスを咎めれれたりしたことがないのです。故にそれらの事象に対してのストレス耐性が全くないという事がわかりました。

サラリーマンであればミスを叱責されれば、反論をぐっと飲み込むこともあるでしょう。そして、そう言われないように影で努力する人もいるでしょう。しかし、中小零細企業の社長は「キレれば」それで解決するという経験があるので、受け入れられないのです。

確かにこれらの事柄は、社員やその家族を背負っている社長のストレスに比べれば大したことないと言えるかもしれません。
でもね、そもそも種類が違うと思うのです。
サラリーマンをやっていると様々な理不尽を耐えなければならない事が多々あります。これも立派なストレスです。
少なくともお父さんは、普通のサラリーマンだったら日常的に晒されているような叱責に耐えることができません。都度キレてしまい、正常な判断ができなくなるのです。これではビジネスマン失格です。
沸点が低すぎるのですね。

多分これは一生治らないと思います。
今日もお父さんに言いました。

「もういい加減に気がついていると思うけれども、一般的なビジネスに関するスキルは埋めがたいほどにくまおささんの方が高い。だからいちいち張り合わないで、くまおさんの言うとおりにすれば間違いなく仕事は楽になる。お父さんは社長なんだから、優秀な社員が来てよかったと素直に喜んでいればそれでいいじゃないか。自分の強みを把握してそこにベストを尽くしてくれ!」

 

ちなみに今期の業績は順調に推移しており昨年対比約200%です。