収入と家事負担の話

最近、主婦の友系?のマンガをKindleで読んでいます。女性目線の描写が主であり、ママ友、子育て、姑、不倫、旦那の話題がメインです。そんなかでよく出てくる描写が「無理解な夫」です。出産の際に旦那がいらんことを言った、モラハラがあった、浮気で開き直った、マザコンなど、様々な描写があり、これが結構面白く、また考えさせられることも多く楽しく読んでいます。ただ、これらの漫画が総じてスルーしている問題があります。それが表題の件、収入格差と家事負担の問題です。

令和の現代において、基本的に家事負担は平等が正しいという事になっていますし、それに異論を唱えるのは色々とリスキーなので、あまり大きな声で発言する人は少ないといえます。ですから、漫画では多くの場合(共働き想定の場合)で、「私も働いているのに、なぜ旦那は好きに飲み会にゆくの?」とか、「子供が熱で休んだ時に調整しなければならないのは妻なの?」とか、「妻は残業が好きにできないの?職場に迷惑かかっちゃうよ?」と言った描写が多く、平等であるはずの男女、そして夫婦、そして子育てにおいてなぜ差が生まれるのか?そして、その差は許容されて良いのだろうか?という論調のものが多いなと感じています。

そりゃあ確かにそうだと思います。

しかし・・・これらの漫画では旦那と妻の収入格差がスルーされています。例えば、旦那の月収が50万円で、妻の月収が25万円だった場合に、「同じように仕事をしている」と言えるのだろうか?と素直に疑問が浮かびます。しかし、この問題は夫婦においては最もタブーであり、もしも「文句があるなら俺と同じだけ稼げるのか?」などと発言しようものなら、世界中のフェミニストから総攻撃をくらい息ができなくなる事でしょう。専業主婦の場合も同じで、「誰の金で暮らしてると思ってるんだ!」と言ったら最低モラハラ旦那のレッテルをはられること請け合いです。

まあ、これらの漫画に出てくる旦那さんというのは「題材になるようなクズ夫」だったりするので、そもそもそんなに収入が高いタイプではないのかもしれません。もしも旦那が年収1000万円だった場合、そもそもが猛烈に忙しかったり、とても気の利く素敵な旦那様の可能性がかなり高いからです。収入はその人の人間性を写す鏡だったりもします。当然収入が全てではありませんが、稼ぐ能力があると言う事はそれ自体が魅力的だったりするわけです。このような事を書くとフェミニストから攻撃されそうですが、実際にはそういう可能性が高いはずです。そうでなはい俺様な男性も同じくらい沢山いると思いますが、ここではあくまでも「お金を稼ぐだけの能力がある男性は生活力も高い傾向がある」くらいに捉えてください。

例えば、東京の郊外で分譲マンションに住み、4人家族で税込年収500万円という旦那さんがいたとします。月収が35万円くらいで、ボーナスが80万円くらいという家庭は結構多いと思います。そうなると月の手取りは28万円くらいかな?(※日本の平均年収はそんなに高くない!とか怒らないでくださいね。あくまあでも一つの想定なので。)

この状態で東京郊外で、車がある生活していると、奥さんが専業主婦の場合、旦那さんのお小遣いが3万円位、奥さんは自由に使えるお金が殆どない(独身時代の貯金を切り崩す)、貯金は出来ない、外食はちょこちょこできる、旅行も年に2回くらいはいける。ディズニーランドも行ける。というくらいだと思います。

この時の奥様の不満は「専業主婦は自由にお金が使えない。働いていないと貯金がどんどん減って行く・・・」であり、旦那様の不満は「家族持ちの旦那は自由にお金が使えない。働いているのに貯金がどんどん減って行く・・・。」です。

じゃあ、子供が小学校にあがったり、近所に親が住んでいて幼稚園児くらいの子供であれば預けられるor見てもらえるという恵まれた環境で、奥様がガッツリパートに勤しんだとします。週5日時給1000円で、毎日5時間働いて月間で10万円位になります。これ以上働くと旦那の扶養控除を受けられなくなり収入がマイナスになるのでMAXはこのくらいでしょう。

この場合、奥さんは準フルタイム位の時間を働いており、身体的にはかなり大変です。ただ、冷静に考えた場合手取り給料で旦那の約3分の1です。そして、旦那さんは、実際には年金やら社会保険料等も支払っているので、35万の月収の場合は会社負担は40万円以上になります。ですから、実際に会社が旦那様に支払っている給料は奥さんの4~5倍という事になる訳です。要は金銭的に、4~5倍の負荷を旦那さんに期待しているという事になります。

しかし、労働時間は8時間が基準ですから、5時間(奥さん):8時間(旦那さん)とういう構図で判断されます。でも実際にはこうです。

5時間(奥さん)×金銭プレッシャー1:8時間(旦那さん)×金銭プレッシャー4

うん・・・。これは家事負担に大きな差が出るのは仕方がないのでは?と思うのはくまおさんだけでしょうか?

子育て中の女性の場合、子供の世話等もあるので単純比較は出来ませんが、おそらく上記の漫画で語られているよりも、旦那さんの社会での負荷は大きいと思います。

よし、ではフルタイムの奥様のケースを考えてみましょう。この日本において女性ははっきり言って給料が安いです。東京郊外在住で子供がいてもフルタイムで働けるという事を考えると、奥様は都心部への通勤は時間的にかなり難しいかもしれません。すると、郊外の一般企業という事になります。おそらく月収で20万円程度(手取りだと16万円位かな?)、ボーナスで60万円位で年収は300万円位だと想定してみます。この給料帯だと一般事務や営業事務といった職種になるかと思われます。

この設定の時点で「女が子育ての大部分を行う前提になっているじゃないか!」みたいな突っ込みは一旦横に置いておいてください。あくまでも現実に即した一般的な想定です。

上記の場合で旦那との給与格差が約40%です。このくらいの給与格差になってくると旦那さんも、平等に自宅の家事は行うべきであるという発言に正当性が出てくる気がします。さあ、世の旦那さん家事をやりなさい!

さて、上記を少し別の目線から見てみます。くまおさんは現在2つの会社を経営しています。その経営者目線や15年程度に及ぶブラック企業~上場企業でサラリーマンとして働いた経験を元に書きますね。

そもそも、なぜ女性の給料が安いのでしょうか?それは「給料が安い職種で働く」からです。これは長年日本で呪縛の様に考えられてきたことだと思います。それは主に事務職であったり、保母さん、介護職その他もろもろ沢山あります。女性が飛込営業なんて、女性が大工なんて、女性が運転士なんて・・・まだまだたくさんあります。ある研究データによると女性の理系大学進学率が低い理由は、日本において理系の仕事に女性が就くという就労状況が想像しにくいからだそうです。ですからそういったイメージのない国によっては理系大学の男女人数差がない土地も多いそうです。

くまおさんは長年新規開拓の営業マンをしてきました。営業事務の方とは日常に接しており、どの様な仕事をしていたのは概ね把握しています。営業事務の方は歩合給が付かない為、給料は低いです。

でね・・・はっきり言って営業事務の方が楽です。まず、概ね定時で帰れます。そして、営業数字のプレッシャーを上司から詰問されることはほぼありません。休日出勤を強要されることも少ないでしょう。とは言っても、仕事ですから人間関係や日々の業務の中で大変なことはたくさんあると思います。しかし、新規開拓営業マンの方がストレスが数段上です。これは間違いありません。

一般的に給料300万円の仕事と、500万円の仕事には、その辺りのストレス格差がかなりあるとくまおさんは認識しています。収入差は40%ですが、ストレス格差は多分200%くらいあります。経営者目線で見たとして、年収300万円の事務員には会社の売り上げ向上の期待はしませんし、別に言いません。ただ、年収500万円の社員にはそれらの提案をするように求めますし、勤務時間以外でも自己研鑽するように促します。

自分が年収300万円の事務員だったとして、その給料を500万円位上げるためには何をすればよいのか?と想像してみてください。おそらく管理職にならないと無理だと思います。収入格差は40%かもしれませんが、多分40%仕事を頑張ったくらいでは管理職にはなれないでしょう。実は賃金差以上の大きな差がそこには存在しています。

ただ、実際には男性で給料500万円以上の営業事務もいました。しかし、それらは主に2種類でした。一つは元々トップ営業マンだった人が出世の過程で社内ローテーションしているケース。もう一つは元営業マンが精神的、身体的にドロップアウトして、たまたま事務職で拾われたケースです。後者のケースの場合は、皆「もう営業には戻れない」と口をそろえて言います。

女性は給料が安いと言われています。ただ、くまさんの在籍していた会社では職種によって給料が決まっていたので、賃金格差はありませんでした。おそらく多くの企業でそうだと思います。そして、実際に女性が働いていたこともごく稀にですが、ありました。なお、女性が新規営業職をしていたケースでは概ね成績が良く、上位20%には入っていました。当然給料も高いです。

家族生活者において主たる収入源(昔風に言うと大黒柱)になろうとすると年収では最低でも400万円~は必要だと思います。その年収を稼ぐためには、一般的な事務職の壁を超える必要があります。例えば身体的にキツい(力仕事や危険な仕事等)または精神的にキツい(新規営業やクレーム対応、代金回収等)に従事しなければなりません。そして、それらの仕事は家長としておいそれと変更することは出来ません。

また、日本の会社は若いうちは賃金が抑えられ、年齢が上がるにつれて給料が上がるという仕組みになっていることがあります。その場合、仕事内容的には500万円の仕事をしているけれども、実際の収入は400万円です。という事も少なくありません。大手企業の場合よくあるケースだと思います。そうなってくると、20代で結婚した場合、奥様との収入格差が少ないかもしれません。しかし、これは将来の年収を会社にため込んで、後払いしてもらう為の奉仕期間なので実際は収入格差以上のプレッシャーの中で仕事をしています。そして、多くの場合で男性は仕事を辞めるという選択肢を取れない状態です。少しの間休業しようという判断も現実には難しいでしょう。家族がいればほぼ無理です。

くまおさんは料理はほとんどしません。と言っても、奥さんが仕事の時は、買い物をして、子供たちにチャーハン、らーめん、パスタを作って提供して、皿洗いして片づける位は難なくこなせます。元来器用なのと、一人暮らしをしていたので家事全般は何ら問題なくこなせます。そもそも、家事というのはそれ単体ではどれも難易度は高くないので、むしろ「家事が出来ない」などと言っている人の意味が分かりません。問題はそれらの連結やローテーションを考える事であり、むしろそういった思考は得意なので、事象自体は問題なくこなせます。

ただ、夕飯はまず作りません。なぜなら別に作りたくないからです。作るくらいなら食べに行きます。その辺りは奥さんも分かってくれています。「私も家の事で、やりたくないと思う事がある。例えばパソコンの設定とか家電関係とか。だから別に料理を作れと強要するつもりはない。」と言ってくれています。ありがとうございます。

そう、得意な事。家の設備全体の維持、お金の管理等々はくまおさんが制御しています。

例えば、一昨年から奥さんがパートに出るようになり、家事に充てられる時間が減りました。だた、奥さんはそれらを解決する為には?という志向が苦手です。しかし容赦なく機嫌が悪くなります。

そこでくまおさんは食洗器とIHクッキングヒーターの導入を決めました。そして、お金の捻出(これが一番大変)、工事業者の選定、製品の選定(これも自分一人で決めたいが、後から文句が出て意見調整がとても面倒)、予算調整、日程調整を行い施行しました。これによって、家事は大幅に減りました。また、くまおさんが洗濯をする機会が増えたのを機に、効率的に乾く干し方を考えました。ハンガーの種類変更や、干す時間帯、ハンガーへのかけ方、乾いた後の収納方法、収納方法変更に伴う、収納場所のDIY等。また室内干し用の場所も奥さんには文句を言われながら設置しました。明らかに洗濯が楽になるからです。いまでは奥さんも便利に使用しています。設置時になぜ小言を言われたのかいまだに分かりません。現状維持バイアスでしょうか?まあ、いいです。

子供の習い事、塾、必要な経費等の捻出、計算はくまおさんが担っています。

正直なところ、ビジネスで培った考え方を応用すると、家事を大幅に減らせる自信があります。そして、それはくまおさんにとっても奥さんにとっても間違いなくプラスになります。しかし、現状維持バイアスから、おそらく当初反対されます。その交渉や調整が面倒ですし、「改善しようとしているのになぜ反発されなければならないの?」というモヤモヤ発生が確実なので、やめておきます。なお、くまおさんはインテリアデザインや整理整頓は得意です。ですから、好き放題いじれる会社事務所はとても素敵な空間に仕上がっています。でも、そういった事は人に強要してはいけないという事も分かっているつもりです。

話がだいぶそれました。要は一般的な男女の収入格差から考えると、おそらく奥様が考えている以上に旦那様は様々なプレッシャー、ストレスを受けているという事を分かってほしいなと思います。ただプレッシャーやストレスというのもある程度は慣れるので、何も考えていないように見えて、奥様からはあまり認識できないかもしれません。

記事の最後に書きたいことがあります。まあ、対象者はくまおさんのブログは読んでいないと思うのですが・・・奥様側から旦那様に言わないであげて欲しい事があります。それが仕事の愚痴と「あー仕事辞めたい」という発言です。

旦那様は何だかんだ今の日本では家長という立場です。結婚した男子はほぼ強制的に家長です。ですから、仕事の愚痴を奥様に言っても意味がないどころか、「そんな事言ってねえでもっと働いて稼いで来い!」と言われることが分かっているのでわざわざ言いません。そして「仕事が辞めたい」というのはよっぽどの事が無い限り発言できません。発言する事は許されないのです。ですからそんな発言をする時はよっぽどです。

いま、コロナ禍で多くのサラリーマンや経営者の旦那様がそういった発言を奥様に向かってしているかもしれないと思うと心が痛みます。緊急事態宣言なんて糞くらえです。こちとら活動はすべて不要不急ではなく必要至急です。これ以上景気を悪くさせる発言は厳に慎んでいただきたいと思っています。コロナ禍を抑えるために有効な手法は、テレビ、新聞を1か月間放送、発行禁止にすることだと本気で思っています。

さて、話をもどして。上記2つを言われるととても嫌な気分になります。だから言わないであげてほしいです。ただ、数年前に下記の本を買いました。これによると奥さんの愚痴は聞いて、適度に相槌を打ち、解決策は提案しないというのが正解だそうです。答えは求めていない。求めているのは共感であって、女性はただ聞いてほしいだけ。

うん・・・苦行だな・・・。どうしたものか。

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でもね、多分家事は沢山やったほうがいいね。