くまおさんギター(s.yairi YD-75)

前々から入手しようと思っていたスペックのギターがあります。それがトップスプルース、サイドバックマホガニーのオール単板ドレッドノート。マーチンd-18というギターが代表モデルです。ただ、マーチンだと新品30万円、中古でも15万円~といった感じなので、高すぎます。そこで、そのコピーモデルを探していました。それがこちら。

全体的に埃だらけで汚れています。そして指板はカラカラに乾燥しており、ガサガサしそうな勢いです。分解清掃して、指板は蜜蝋でケアしました。こちらはメンテ前。きれいに日に焼けて貫禄があります。前のオーナーがちゃんと弾いていた形跡があります。良い印象。

s.yairi YD-75です。当時定価75,000円で中国製です。こちらは復活後のs.yairiなので希少価値的なものは一切ありません。というのも、s.yairiというメーカーはずいぶん昔に倒産してしまい現在はキョーリツコーポレーションという日本の会社がブランドを運営しています。70年代フォークブームの際のs.yairiというブランドは日本においてはかなり地位の高いブランドでした。

現在は創業者の息子?なる人物をアドバイザーとして迎えているらしいです。この辺りはかなり怪しいっちゃあ怪しい。中国の龍音楽器という会社がOEM生産しているようなのですが、この会社はk.yairiの商標を中国で取得してパクリ製品を作っているらしい・・・。k.yairiとs.yairiは元々兄弟が設立した会社で、k.yairiは現在も岐阜県に工場を置きmadeinjapanを貫きながら生産を続ける日本の名門アコギメーカーです。ただし、現在はこの2社は一切関係がありません。

さて、くまおさんは元々s.yairiのym-02というミニギターを持っています。数年前にAmazonで9,000円位で購入し、色々とチューンアップしながら現在も使用しています。なので、s.yairiに関しては割と良いイメージがあります。

くまおさんが欲しかったオール単板ギターはアメリカ製中古で10万円~、日本製中古で6万円~といった感じ。ところが中国製、中古品という事になると2~3万円から入手することができます。価格差が半端ないです。その位で入手すれば、飽きて手放してもほぼ同価格で買い手がつくので、悪くありません。

ただ、そのまま使用しても面白くないしな~もっとカッコ良くしたいな~と思いちょっとした改造を行う事にしました。イメージはマーチン・モダンデラックス。これね。これ定価で60万円です。すんごい値段・・・。

カスタム箇所は、ペグです。もともとはロトマチックタイプのクローズドバックのペグがついていましたが、ここはヴィンテージマーチンを再現する為にゴールドオープンバックを調達しました。これ・・・結構高いです。GOTO製のペグで、最高級ラインの物。ブッシュタイプの製品が多くロトマチックだと、このペグしか選べませんでした・・・。で、どうやら受注生産?品の様で到着するまで1か月間もかかりました。

エンドピンはブラスに変更。元々はプラスチック製。エボニーにしようかと迷ったのですが、ジャラン、キラキラ、ガリンという音を期待してより硬度の高そうな金属製にしました。ゴールドパーツだらけで高級感が出ました。

折角なのでピックガードも変更しようかな~なんて考えたのですが、このYD-75は割と分厚いしっかりしたピックガードが付いているのでとりあえずこのままに。

ペグを取り付けます。シッカリを下穴をあけないとイモネジが折れて大変なことになりますので要注意です。なお、4弦ペグがまっすぐついていない気がします。元々の穴の位置がずれていると思われます。まあ、これは本物のマーチンでもズレてたりするのでまあ仕方ありません。逆に言うと日本製アコギだとそういった事はほとんどないので、日本品質万歳です。

ハイカッコいい。そして実際に弦を張ってみます。今回はエリクサーのフォスファーブロンズ、カスタムライトです。

電動ドリルにつけるタイプのワインダーがとても便利。糸巻がすぐに終わります。

いざ試奏・・・・ん・・・・ん・・・・

音が糞過ぎる・・・全然響かない・・・少し観察すると3弦がポコポコ鳴っています。おそらく、サドルが削れて音が吸収されているのではないかと考えられます。仕方がないのでサウンドハウスで早速TUSQサドルをぽちります。

翌日には届きました。めっちゃ早い。このYD-75 はマーチンD-18のコピーモデルなので、サドルはマーチン用の物を選びました。しかし・・・サイズ合わないよね・・・合わない事は分かっていた。何故なら表記サイズとYD-75のサイズが違ったから。。。ただ、最もサイズ感が近かったのでこちらを購入。鉄やすりで長さと高さをギコギコ調整して何とかハマるようになりました。この辺りはデリケートで面倒なうえに、弦の高さは実際に弦を張ってみないと分からないという難しさもあります。

装着完了し、現行も6弦側で2.8mmくらいで調整完了。ところが・・・相変わらず3弦が鳴りません。何故なのか???もしかすると・・・

そもそも弦が伸びきって死んでいるのではないだろうか?と考えました。サウンドハウスに連絡したところ、速やかに代替品を送ってくれたので装着しなおしたところ、ちゃんと音が鳴るようになりました。サウンドハウス対応早いし、やっぱり最高です。

さて、総評をしてみます。見た目はゴールドパーツ(ペグ、エンドピン)がハマり、ブラックゴールドの対比が高級感を醸し出しとてもカッコいいです。s.yairiのロゴもゴールドなのが相まっています。

ゴールドペグは本当に高そうに見えますね。

中国製という事ですが、当時定価ベースで7.5万円、少し前のモデルだと後継モデルが10万円でした。中国製としては高いギターではないかな?と。故に、造りはシッカリでしており、全体的に高級感があります。塗装ムラや材料の悪さの様なものは感じません。何となく塗装はガッチリ厚い感じがするかな?といったところ。

そして音は・・・良くないな・・・。ドレッドノートボディの割にはあまり響かない。高音弦はキラキラ響くものの、低音弦があまり響かないです。少し時間をおいて馴染んでくればもう少し響くような気はしていますがどうだろうか?

くまおさんはモーリスのw-20という1970年代の当時定価2万円合板安ギターを持っているのですが、音の体感でいうとそれと大体同じか、若干劣るといった感じ。w-20も一通りチューンアップ(ナット、サドル、ピックガード交換。ブリッジ塗装はがし)しているので、結構いい音がするのです。※左側は1968年製エピフォンft-30キャバレロ、右側はエピフォン(エリート)テキサン1965モデルです。

正直なところ、YD-75にはもっと期待していたので少々残念な気持ちです。なお、パーツ代で結構費用が掛かっています。本体を2.5万円で入手して、パーツ類で1.5万円位かけたのでトータル4万円也。再度手放すとしても、おそらく4万円の値段は付かないだろうな~と思います。という事で今後はピックガードを張り替えてみたり、ピックアップつけてみたりしながら遊んでみようかな~

沢山アコギがあるのですがギブソンは所有したことがありません。というかギブソンアコギは弾いたことすらないのです。くまおさんはバンド活動をしたり、音楽教室に入ったり、発表会をしているわけではないので、基本的にアコギは一人で弾いて楽しんでいるというスタイルです。故にアコギ仲間的な人はいません。学生時代はバンドを組んでいたので、友人のギターを触ったりしていたのですが、学生時代に高級アコギを購入する奴というのは基本的には存在しません。高いギターならば普通はエレキギターを買います。だからギブソンアコギは触ったことがありません。

いつかギブソンを手にする日は来るのだろうか?