ジャパンヴィンテージギターのある勘違いについて

例えば、40年前のヤマハやモーリスのギターを引っ張り出してきて、「これは当時6万円のギターだ。40年前の6万円だから、国産で材料もしっかりしている。当時の給料を考えればとても高級品だよ。」みたいな論調があります。まるで新卒初任給が5分1だったかの様な言い回しですが、よくよく考えてみると全くそんなことはありません。むしろ今の方が物価が安かったりします。

なんとなく、合っているような気もするのですが、本当にそうでしょうか?
40年前というと1980年です。
実は日本の給料はそんなに上がっていません。80年代後半からバブル経済が起こるので一時的に上がったりはしますが、ここ20年は下げ基調で、国際的にな地位も低下しています。
世界3位の経済大国とは言え、中国やアメリカとの差は広がる一方ですし、そもそも島国で人口が多いので、経済規模が大きいだけであり、一人当たりGDPに関しては想像よりも世界的に見た場合に弱いです。

IMFのデータなのかな?1人当たりのGDPです。
https://www.globalnote.jp/p-data-g/?dno=8870&post_no=1339

1990年までのデータしか見る事が出来ないのですが、まだそのころの日本は世界で名目共にトップクラス(2位とか3位とか)です。
しかし、比較してみると2002年あたりから急激に順位を落とします。
日本が下がったというよりは、周りが上がった為に相対的に順位を落としたと言えます。

2018年のデータでは26位で、すぐ後ろにはイメージ的には日本の遥か後ろにいると多くの人が思っている国な並んでいます。
実は、既に大差がないという日本人の自尊心を揺るがすようなデータです。

という事で実はジャパンヴィンテージギターの昔の価格比較はほぼ意味が無いと言えます。
むしろ、今の方が技術や効率、機械性能、精度が上がっているの、あと30年たって、現在の中国製の6万円のギターと1980年の6万円の日本製ギターを比較した場合評価が逆転するかもしれませんね。