000-28(マーチン)martin2001年製くまおさんギター

いや~ついに来ましたね。買っちゃいました。通販です。
楽器玄人が絶対にダメだという通販です。

むしろ、楽器屋で購入したギターの方が少ないわ(笑)
ただ、今回は個人売買ではなく、地方の中古ギターショップからの購入です。

永遠の憧れ。マーチン28シリーズ。
とてもいい!

過去にもマーチンは所有したことがあります。
HD-28(1982年製)HD-28(1982年製)000-16GTです。HD-28は弦高が4.5㎜あり、借り物だったのでちょっと遊んで返却。000-16は音が気に入らず放出です。
その時の感想は「言われているほど大したことないな」という感じ。
いずれにしても元々持っていたテイラー320というギターに敵わず、放出していました。

しかし、自分の気に入ったマーチンを所有したいなと、ずっと考えていました。
完全にブランドネームです。否定しません。
そう、ブランドネーム、ヘッドのロゴが欲しいのです!

結構前からテイラーを売りに出していました。むしろ出品していた事を忘れていました。
気に入っていた個体なので売れなければそれはそれで構わないかなと思っていたのですが、コロナ禍で皆さん暇になったのか、アクセスが増え問い合わせが複数入る様になりました。

テイラー320は、いざ手放すとなるとかなり寂しい個体だったのですが、大事にしてくれそうなオーナーさんだったので思い切って手放しました。
その後は、売却軍資金を元に新しいギターを何にするかで頭がいっぱい(笑)

ここから先、結構長くマニアックな話が続くのではっきり言って読み必要ないです(笑)自己満足備忘録です。

テイラーの売却額にいくらか上乗せして、ウクレレを手放して・・・皮算用しながら色々と考えました。
出来ればd-18とか欲しいな~なんて考えながら。

すると・・・想定よりもはるかに安価な000-28がネットで出てきたではありませんか!手が届かないと思っていた000-28。
000-28と言えばエリック・クラプトン。永遠のヒーロー、いとしのレイラ、薬中のおじいちゃん
アコギ弾きなら絶対にあこがれるあのギターです。

Martin 000-28 2001年製
TOP: Solid Sitka Spruce
SIDE&BACK: Solid Indian Rosewood(アコギ弾きの憧れ、ローズウッド単板)
NECK: Mahogany(現行品は変わっちゃいましたからね。)
FINGER BOARD: Ebony(やっぱりエボニーだよね。)
BRIDGE: Ebony(やっぱりエボニーだよね。)
TRIM: Black & White
ROSSETTE: Black & White
PICK GUARD COLOR: Tortoise Color
POSITION MARK: Dots
TUNER: Schaller Type Chrome
BRACING: Non Scalloped X(これよ、ノンスキャロップがいいのさ。スキャロップは弱そうだからいやなのさ。)
NUT WIDTH: 42.9mm
SCALE: 632mm
Body Width at Upper Bout: 290mm
Body Width at Lower Bout: 385mm
Body Length: 492mm
Body Depth at Top: 82mm
Body Depth at End: 102mm


現代では特に意味がないと言われている、28シリーズ特有のヘッド裏のダイヤモンドボリュートがなんとも言えない魅力を放っています。

ウェザーチェックも出ています。2001年の個体なのに早いな~と思ったりもしたのですが、この個体北国のギターショップから購入したのがその理由だと思います。
ウェザーチェックとは経過年数というよりも、温度差等の環境差によって塗装と木材の収縮差から出来る塗装の割れの事を言います。
要は、ラッカー塗装のデメリットなのですが、ギターに関していうとウェザーチェックを有難がる文化があるので、くまおさん的にも全く問題ありません。むしろ貫禄があって好きです。
くまおさんが所有するヴィンテージギターでエピフォンキャバレロ(1968年製)というものがあるのですが、こちらはトップバック、ネックと全てに至るまでウェザーチェックがびっしりです。
それが貫録でありカッコいいわけです。

さて話を戻して、現行品は全体的な装飾がヴィンテージライクになり、指板、ブリッジがローズウッドに変更。ネックがセレクトハードウッドという事で樹種が指定されなくなりました。
それが、この2001年の個体ではエボニー、マホガニーという上級グレードの材が標準採用されています。多分、当時の定価は2599ドルだと思います。それと、ノンスキャロップのブレーシングも好印象。というか、スキャロップドブレーシングにスキャロップドブレーシングに良いイメージがないんですよね・・・以前に有したことがあるHD-28はスキャロップドだったのですが、サドルの後ろ側にぽっこり膨らんでいました。。ということで、ブレーシングが弱いのではないか?と思っているのです。
ちなみに、現行品は2018年モデルで3899ドル。日本円で47万円です。随分と値上がりましたね・・・

そう、樹種の違いで音の差なんて分かりませんよ、くまおさんは。
でもね、男と言うのはこういうスペック論が大好きなんですよ!
いつの時代も、早くて、デカくて、強いのが大好きなんです。オーバースペック万歳なんです。

くまおさん、メルカリやヤフオクでポンポンギターを購入するのですが、マーチンに関しては個人売買が嫌だなと思い、中古ショップから購入しました。
ちなみに、あまり弾かないギターはメンテナンスしてどんどん売ります。
その為、買値より安くなるケースはあまり無いので、購入のハードルが低いです。だって、ほぼ損はしませんからね。

本当は000-28の実物を触りたかったのですが、出品している店舗が東京から最も遠いエリアの一つだったので、色々と質問して購入しました。
なぜ、個人売買が嫌だったかというと、高級ギターのデリケートさを知っている人から入手したかったからです。
マーチンはちょっと放置しただけで簡単にコンディションが悪化します。これだから、高い楽器は嫌です(笑)
その為、弦高が0.5mm高いだけでも使用感が全く異なります。
個人売買の場合、相手の知識量が分からないので、先方に悪気が無くても状態の悪いギターを買ってしまう可能性があります。
マーチンの場合、弦高が1㎜違って修理しようと思うと平気で10万円などと言った見積りになってしまうので、かなりのリスクがあります。
だからこそ、こういった高級ギターの場合は個人売買は怖いです。3割くらい高くても楽器店で購入した方が良いと思います。
とは言え、今回の個体は個人売買位の価格帯で楽器店販売だったので、もうくまおさんにはドンピシャだったのです。

確かに個人売買は、比較するとかなり安いので運が良ければお得に手に入るのですが、高級品は怖いですよね・・・。

中古楽器店であればその辺りはある程度は安心です。特に地方のマニアックな中古楽器屋さんの場合、店員がほぼ確実にマニアなので安心度も高いです。

くまおさんは下記質問をメールしました。
回答が速やかに来てくれたので、安心して購入を決断しました。

・弦高は?⇒12f6弦側2.5㎜、1弦側2.0㎜。
・元起きは?⇒ジョイント部でほんのわずかにみられるものの極端ではなく落ち着いている。ネック自体はストレートで安定。
・ブリッジは削られてますか?⇒削られておらず中央部で8.8㎜。今後弦高が上がっても、サドルも十分にあるのでサドルから削っていっても弦高を下げられる。

くまおさんはアコギにエクストラライトという一番細い弦を張っています。理由は、指が痛いからという事と、細い弦のシャリシャリした感じが好きだからです。また通常のライト弦を張って、指弾きで弱いタッチで弾くと、音がこもるのが嫌なのでエクストラライトが丁度良いという理由もあります。

購入楽器店の店長さんに上記を相談したところ、楽器のポテンシャル的にはライト弦が良いと思うし、さすがにエクストラライトだと弱いだろうと。その為、中間のカスタムライトはいかが?と提案を頂きました。
発送前に弦を張り替えて、弦のテンションに合わせて再セッティングしてから送ってくれるとの事だったので、エリクサーのフォスファーブロンズカスタムライトでの調整をお願いしました。

それにしてもずいぶんと相場よりも安いので値段が安い理由を聞いたところ、ピックガードが交換されている事、エンドピンジャック加工がるある事が理由との事で、くまおさんにとってはそれはむしろ好材料。
2001年物の黒いピックガードよりもトーティスのべっ甲柄の方が好みですし、ピックアップを付ける可能性もあるのでエンドピンジャック加工はありがたい。
多分、トーティスピックガードもショップで作業してもらうと1万円〜位すると思うんですよね。
そして、エンドピンジャック加工もおそらく数千円はかかると思います。

実は同時に、クロサワ楽器のD-28の中古も格安で出品されていました。クロサワ楽器と言えばマーチンなので安心感があります。
状態も悪くなさそうで、価格が安い理由はこちらもエンドピンジャック加工。それなら全く問題ありません。
ただ、ドレッドノートタイプは既に持っているので、違うものが欲しかったのです。

それとドレッドノート特有の指弾き時に低音がこもった感じになることをが気になるというのもありました。
分かる人位はわかるかもしれませんが、クラプトンのティアーズ・イン・ヘヴンを引いたときに、5,6弦がモワッと鳴るあの感じです。
マニアック過ぎてわからないか(笑)

中古ギターあるあるなのですが、オリジナルからすこしでもカスタムしてあると値段が下がります。
たとえそれがアップグレードだとしても、中古価格としてはマイナス評価になるのです。
その辺りが分かっているとお得な買い物ができるかもしれません。

よーし、ではマーチン至上主義の方には嫌がられそうな事を正直に書きます。
比較です。
値段は定価で000-28(47万円)、テイラー320(25万円)、テキサン寺田楽器(16万円)です。これも発売時期が異なるので、全体的なギター価格変動を考慮しなければならないのですが、全く同時期に販売されていたと仮定しても大体同じような価格差だと思います。まあ、ギターの定価なんてあってないようなものだし、高価格ギターほど、売るまでに時間がかかるので、実際の商品価値に対して売価が高めに設定されていると言う事はあると思います。

高級感 テイラー320>000-28>テキサン寺田楽器製
作りの精度 テイラー320>テキサン寺田楽器製>000-28
雰囲気 000-28>テキサン寺田楽器製>テイラー320
弾きやすさ テイラー320>テキサン寺田楽器製>000-28
くまおさんの好み テキサン寺田楽器製>000-28>テイラー320
ブランド力 マーチン>テイラー≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫寺田楽器
音の特徴
■000-28 サクサクした音がする。低音がこもらない。流石に響く。音がまとまる。ただ、ちゃんと分離もしている。キラキラ感もある。
■テイラー320 多少サクサクしている。低音が多少こもる。各弦の音量バランスがいい。音がまとまる。マホなのでキラキラ感はない。倍音は少ない。
■テキサン アジャスタブルサドルなので、音が伸びない。ジャキジャキ切れる感じでそこがすごく好み。音が明るい。音はまとまらず、弦が鳴りっぱなしという感じ。ネックも細いのでエレキギタリストには好まれそう。

比較見ると多分テイラーが1番ですね(笑)マーチンは雰囲気、ブランド力という明確に定義しにくいもの以外負けてるし。。。
でも、これって、みんな正直には言わないけれども、多くのアコギ弾きの正直な感想ではないかなと思います。

作りの精度や高級感はテイラーが明らかに上です。現代的な工作アプローチをしているテイラーの圧勝という感じ。
なんだかんだ言っても、マーチンはアメリカ人が作る工作楽器なので雑なのだと思います。事実として、よく見たらペグが曲がってるついています笑
消費税入れたら50万円を超える楽器でこれはないだろうよ。ほんと、アメリカ人適当だわ〜。

テイラーはそれらを廃するために、機械化にこだわり、パートのおばさんでも組み込めるように「工作機械を作り込む」という考え方です。
テイラーが売れるのはトヨタが売れる理由と似ているかもしれません。トヨタトとテイラーの違いは、テイラーはちゃんとブランド力も同時に高めているという事かなと。
一方マーチンは、職人の伝統技術を大切に引き継いでゆくというコンセプトだと理解してます。その辺りはギブソンより随分と丁寧だという印象を受けます。ギブソン持ってないけど(笑)そしてペグ曲がって付いてるけど。

ただ、そうなってくると、アメリカ人の工作技術ですからまあ限界があるかな?と。
マーチンやギブソンではカスタムショップ製でもネジがまがてっていたり、ジョイント部分に紙が挟まっているなんてことはザラにあるようなので、このあたりは国民性でしょう。
以前の職場で中華人民共和国の工場を管理していた人に話を聞いたのですが、中国工場の何が大変かというと「放っておくとすぐにサボって、精度が下がる」事だそうです。アメリカ人も似たようなものなのだと思います。むしろ日本人が神経質で異常なんでしょうね。

ところがマーチンの魅力が勝ってしまうしまうという。
1833年から続く歴史とブランドがロゴマークに乗っかてくるわけです。ブランド作りはヨーロッパやアメリカが上手ですね。日本人が真似できない不思議な領域です。本当であれば最も歴史の長い日本国が一番有利な気がしますが、何故か日本の会社はそういったラグジュアリーブランドが作れません。ギターなんて令和の時代になっても日本のトップブランドが堂々とギブソン、マーチンのコピー製品作ってるくらいですからね。ヘッドウェイやトーカイはその技術をもっと違うところに向けたほうが良いのではないでしょうか?とても勿体ないと思います。

Tears in HeavenやLaylaアンプラグドを引くならやっぱり000-28という感じです。今まで弾いたギターで一番しっくりきます。

そして、これも抱えて弾いたり、youtubeを見て思ったのですが、音は確かに違いうと思います。ただ、それは弾いている人くらいしか認識できないかもしれません。弾いている本人は弦をはじいた瞬間のタイミングを、音の出る瞬間が分かりますが、外で聞いている人にははじいた厳密なタイミングは分かりません。ですから、くまおさんはyoutube等のブラインドテストは本当に分からない。

何が言いたいかというと、高いギターでも安いギターでも他人が弾いている分には音の差は分からないだろうという事です。自分で手に持てはなんとなくわかるけれども、そんなもんだと思います。

くまおさんの学生時代からのクラプトン洗脳でだいぶバイアスがかかっています。

マーチン最高!