人の意見って聞く必要ある?

これは・・・時と場合によりますが・・・。

事務所の物置と化していた応接部屋(8畳くらいかな)の壁を塗り替えて改装しました。


こんな感じの「the・事務所」という空間を・・・こんな感じに。




天井からプロジェクターをぶら下げているのでシアタールームとしても使えます。

その後、自宅で飾っていたオードリー・ヘップバーンの壁掛けをこちらの部屋に移しました。

でね・・・この部屋の塗替えをする際に奥さんとこんな話をしました。

くまおさん
「そう言えばさ、事務所の応接間の壁を塗り替えようと思うんだよね〜」
奥さん
「ちゃんとお母さんとかの意見を聞いて塗ったほうがいいと思うよ」※一応、事務所の所有者は母です。
くまおさん
「・・・?なんで?」

母はごく普通の主婦です。建築やデザインに対する特別な知見はありません。
一方、くまおさんは建築学科を卒業しデザイン等に比較的明るいと自負しています。

単純な疑問として何故意見を聞かなければいけないのかが全く理解できませんでした。
一応説明しておくと、そもそも塗る塗らないの行為承認という話ではなく、デザイン的な意見を聞くという話です。

多分意見を聞いて施工した場合、全体を白く塗って壁の汚れを取って終了という感じに仕上がると思います。
まあ、無難なやつね。

明らかにデザイン的なレベルがくまおさんに及ばないお母さんの意見を聞く必要があるのでしょうか?
これは、たまたま建築の話ですが、その他のビジネスシーンでも度々このような問題に直面します。
そして多くの場合で角の取れた、面白くないものが生産されることになります。

例えばくまおさんは前職で新商品のホームページ作成を担当したことがあります。
くまおさんが「良い」と思ったり、特定の「目的」を意図して企画した案があったとして、それで上層部の許可を取ろうとすると様々な修正指示が出ます。

やれ、表現が過激だの、もっとわかりやすくだの、女性受けするようにだの・・・とにかく色々と邪魔が入ります。
みんなから文句が出ないように作り変えたため、誰の印象にも残らない無難なホームページの出来上がりです。

これって正しいですか?

くまおさんは正しくないと思います。
民衆のアンケートから出来上がる商品は大ヒットするとは思えないのです。エンドユーザーにアンケートを取っていたら絶対にiPhoneは生まれていないでしょう。

特に創作分野の場合、他人の意見は不要だと思うのです。
創作者個人の表現を他人が気に入るかどうか?という問題です。

少し話がそれましたが、今回の壁の塗替えの場合、明らかにデザインに対する能力差があるので、そもそも意見を聞く必要は全く無いと思っていたのです。というか意見を聞くという選択肢すらありませんでした。

この部屋が塗り終わったあとの関係者の反応上々です。

ただ、みんなが勘違いをしています。これらの色使いはくまおさんが「センス」で塗り分けたと考えているようですがそれは違います。「知識」で塗り分けました。

今回の色使いはメキシコ人建築家ルイス・バラガンを参考にしました。建築を学んでない人だとあまり知らない建築家かもしれませんが、デザイン系の建築士であれば必ず知っている名前です。
上記の写真のような奇抜な色分けをしてもデザイン的に破綻しないという「知識」を持っているので実行できたのです。決して行き当たりばったりの「勘」に頼ったわけではありません。

だからこそ余計に「人の意見って聞く必要ある?」と思ってしまうのです。「だって・・・意見聞いても・・・ね・・・わかるでしょ・・・。」って感じです。言いたいことわかりますよね?

 

くまおさんのほうがこの分野においては知識もセンスもあるので意見を聞こうという考えすら出てきませんでした。

という事でクリエイティブな作業では人の意見を聞く必要はないと思います。

このような事を言葉に出して誰かに言うととても嫌な奴に映ります。そして事実として意見を聞かないほうが優れていた場合に更に嫌な奴度合いが上がります。だから現実社会ではなるべく上記のような発言は控えています。

だからこそこうやってサイトに書くのです。ストレス解消一種です。くまおさんのストレス解消にお付き合い頂き誠にありがとうございました。