プリーツ網戸の糸切れをdiyで直した備忘録

プリーツ網戸が壊れたので自力で直しました。備忘録および同じ内容で困っている人の為に直し方を記載します。前もって言っておくと、自力で修理可能ですが、結構大変です。「考える」という行為が苦手な人はやめた方がいいと思います。

くまおさんは分譲マンションに住んでいます。

テラスがとても大きいマンションで、開口部が2300×2130もあります。オープンテラスウィンドウ(折れ窓)で開放感があります。
開口部が大きいのでプリーツ網戸(アコーディオン網戸)が最初から設置されており、かれこれ8年ほど住んでいるのですが、ある時網戸付近で糸が切れていることが分かりました。※下に直し方を記載します。

パッと見ただけでは何の糸だかわからなかったのですが、どうやら網戸の糸らしいという事だけは分かりました。

「まあ、1本くらい切れても問題ないだろう。」と放置していると、なんとこのプリーツ網戸、自立しないではないですか!ふにゃっと倒れて安定しないのです。ネットで調べたところ、プリーツ網戸は糸のテンションで成立している仕組みらしく、1本でも糸が切れると交換するしかないとの事。しかし、サイズが大きいのでオーダーメイドな上に、値段も片方3-6万円位かかるらしく、くまおさんの自宅は両開きなので下手をすると10万円位かかってしまうという事が分かりました。

どうやらプリーツ網戸には修理という概念が存在せず、糸が切れた場合は全交換以外選択肢がないという事の様です。でもね・・・網戸の修理に10万円も出したくないし・・・。
先日祖父母の自宅の網戸を交換した時は1枚7000円だったのに・・・プリーツ網戸マジクソ!ってな感じです。

しかし、折りたためる網戸なので開放感がありくまおさんはプリーツ網戸が好きです。ですから何とかして自力での修理を模索しました。
ひとまず取り外します。糸が切れただけで他は正常なのに10万円も出せるか~!という意地です。

分解開始です。
片方6か所のネジで止まっており、計12か所を外しました。そして分解します。
分解しながら触ったり、引っ張ったり、押したり、引いたり、ひっくり返したり色々と触ってみました。構造を把握するまで小一時間かかりました。
ネットで検索してもプリーツ網戸の構造や仕組みが開設されているものが存在しないので、そもそもどういった仕組みでプリーツ網戸が成り立っているのか分からなかったからです。
どうやら我が家のプリーツ網戸は6本の糸でテンションを保つ仕組みらしいという事が分かりました。

人生の中で「プリーツ網戸」の構造について考える事になるとは想像すらしていませんでした。

 

 


糸の配置はこのような形になっています。図では3本のみ記載しています。上下反転で残り3本を配置します。6本書くと分かりにくくなるのでこちらで確認してください。

そして糸を通す際に網戸の目と糸の太さ、糸の種類が次なる検討項目です。実は一度失敗しました。22:00にスタートし25:30に糸を通し終わった後に設置すると・・・付かない・・・届かない。失敗です。絶望です。もう何も考える事が出来ません。眠って頭の整理をすることにしました。

失敗の原因は糸の配置間違えと、糸の選別の失敗です。当初1.5mmのナイロン糸を使用しました。ところが、糸が太すぎる為に色々な穴を通りません。厳密にいうと糸自体は通るのですが、糸だけしか通らないので通す作業がとても大変です。こういう穴の部分です。

そこで一晩眠った頭が導き出した答えがこちら。

建築用の水糸0.8mmと針穴の大きい糸縫い針です。0.6mmと迷ったのですが、太い方が耐久性は良いし、結果として大丈夫だったので0.8mmをお勧めします。
そして作業性が格段に上がったのが、この針です。1.5mmナイロン糸の場合は、針穴に通らない事と、針を付けたままだと網目が通らない&様々な穴が通過しないという問題点がありました。その為、指でちょっとづつ通過させたのです。とても大変でした。
0.8mmサイズだと網戸の穴も簡単に通すことが出来、その他の穴も針を付けたまま通過させることが出来ます。これにより作業時間が大幅に短縮されました。

網戸自体へは針でせっせと糸を通します。5プリーツくらいは1針で通せます。ひたすら作業します。

ちなみに水糸は蛍光色しか売っていません。元々の想定用途が測量だからです。目立たないと意味がないわけですね。本当は黒やグレーが良いのですが、売っていないので諦めました。

初めての作業でしたがおおよそ3時間程度で設置まで完了しました。おそらく次回は2時間を切るくらいで作業を終わらせることが出来ると思います。

くまおさんの自宅の網戸の場合、取り外して作業するパーツがありました。
写真を撮り忘れてしまったのですが、これはメーカーによって異なると思います。ですから皆さんは自力で分解して何とかしてください。くまおさんは一旦全部分解して確認する羽目になりました。これは通らなければならない試練です。

設置が終わり、微調整の際にシリコンスプレーをさしながら滑りを調整しました。これで結構変わります。

糸はかなり強く引っ張った状態がデフォルトの様です。長いと余分な糸が垂れ下がります。しかし短いとそもそも届きません。その為、糸通し後、片方の固定枠を仮止めし実際に動かしながら糸の長さを調整します。最初の段階で糸が短すぎると「届かない」という悲劇が生まれます。これは修正不可能です。長めで調整しましょう。
ちなみにくまおさんは下記の長さで調整しました。

必要長さ4700mm⇒4900mm
必要長さ3920㎜⇒4000mm

下記アドバイスです。
①本体を取り外した後、各々の糸を引っ張りながら配置を確認する。
②引き抜いた糸の長さを測る。
③糸を通す際は少し長めに切り、設置後に調整しながら全体のバランスを整える。
④kure5-56的なシリコンスプレーで可動部分や糸と本体の接触箇所等の滑りを良くする。
⑤作業前に糸配置図を書き左右均等になっているかどうかを確認する。

手先が器用で、「考える」事に抵抗がない人なら頑張れば自力で直せます!ファイトだー!

2020年追記

大体年に1本切れます。水糸なので、そのくらいが限界なのかもしれません。もっと耐久性のある丁度糸が見つかるといいのですが、見つかっていません。

2019年に1本、2020年に1本切れました。2019年は大体1時間くらいで直せたのですが、2020年は2時間半くらいかかりました。いずれの場合も、窓枠から一旦外す必要があるので、やはり面倒です。こればかりは仕方が無いですね・・・何度か付け外ししていると段々と仕組みが理解できるようになってきます。

ちなみに、枠は必ず仮止めで確認作業を行いましょう。結構な確率で引っ掛かり等の不具合が発生し、再度すべてのビスを外す羽目になります。多分1本のビス固定で十分固定されるので、目安としてください。

切れた糸は結んでつなぎ合わせ、新しい糸の長さをその糸長さに合わせれば大体OKです。糸の長さが適正じゃないと、網戸自体が傾きます。これは設置後に、糸の長さを外側から引っ張ると調整できます。写真を撮り忘れました。ごめんなさい・・・