お客様は衝動的にしか買わない

くまおさんの営業のお師匠さんが言っていた言葉です。

「お客様は分かってくれないし、自分からは動いてくれないし、理解しようとしてくれない。
そして、どんなものでも、熟考しているようにみえても最終的には衝動的に決断する。お客様は衝動的にしか物を買わない。」

くまおさんの脳裏に深く刻み込まれた言葉です。
営業の際にはお客様が「衝動的」になるように話を展開するよう常に心がけています。

多くの事柄は「見せ方」で評価が異なります。お笑い芸人は日常をとても愉快に切り取ってトークを展開しますが、彼らの周りにだけ面白い事が頻発するはずがありません。日常の些細な事を面白おかしく「見せる」プロがお笑い芸人というプロ職業者です。

営業の場面でも、毎回毎回衝動的に欲しくなるようなプレゼンテーションを実施する事は出来ません。むしろその方が少ないといえます。

多くの人が勘違いしているのですが、お客様が決断する時に必要なのは「落差」です。今の現実と商品を購入した未来の落差に耐えられなくなった時に、お客様は衝動的に購入を決断します。

一般的な営業マンは自社製品の良さをプレゼンテーションし、一定の満足度に到達させれば購入してもらえると思い違いをしています。そうではありません。現実との落差に注目する必要があります。

ですから、落差を演出する為にあえてお客様の現状を叩き落す必要がある場面が存在します。その後に明るい未来を提示し「落差」を実際の落差以上に「見せる」のです。

これによりお客様は衝動的に決断します。
購入の決断は常に衝動的です。ですから衝動的にならざるを得ない様な状況を疑似的に演出できる人が優秀な営業マンです。

例えばフランチャイズの開発営業の場合は、既存事業を斜陽産業だと認識させることから始まり、未来の見通しが悪い事を想像させます。その後に新規事業の明るい未来を伝えるのです。ただ新規事業明るい未来を伝えるだけでは契約になりません。なぜなら落差が足りないからです。多くの人には現状維持バイアスがかかるという事を、営業マンは忘れてはなりません。

人は快楽の追求よりも苦痛の除去により強い動機が働きます。