キャバレロFT-30(エピフォン)くまおさんギター

エピフォンのヴィンテージモデル、caballero(キャバレロ)ft-30です。

シリアルナンバー検索サイトによると1960年、ミシガン州カラマズー工場製との事。前オーナー曰く1967年製との事ですが、おそらくギブソンのシリアル番号と混同しているのではないかな?と思っています。ギブソンのシリアルだと1967年製という事になります。
2018年8月24日追記※ナット幅が39㎜なので初期物ではなく後期物の可能性が高いです。となるとやはり1967年製と言うのが正しいかもしれませんね。

エピフォンは1957年にギブソン社に買収されており、当時はギブソンと同じ工場で製造されていました。このキャバレロはギブソンLG-0というモデルとほぼ同じものであり、違いはヘッド形状と塗装の差のみです。
ちなみに、キャバレロは艶あり塗装で、LG-0は艶消し塗装です。
1949年にはすでに廃盤となっていた機種ですが、Gibson社によって買収された後の1958年より生産再開。
おそらく職人やラインも共通だったと考えるのが妥当なので、面白いエピフォンモデルです。FTシリーズだとテキサンFT-79が有名ですね。
これはポールマッカートニーの愛器として知られており、同時期にカラマズー工場にて製造されていました。FT-79の兄弟機はj-45です。ネックが異なる以外は基本同じです。
テキサンは1964年製がとても高価であり、それ以外はある程度こなれた価格帯です。1964年製はポールマッカートニー所有機と同じ年式の為高騰しています。これからも上昇し続ける事でしょう。

写真だとウェザーチェックでボロボロに見えますがちゃんと磨いたので実物は艶々で貫禄があります。バインディングはべっ甲です。これは本物なのそれともフェイク?
フリーダムカスタムギターのポリッシュがとても優秀で、オールドラッカーにも問題なく使用できる為そちらを愛用しているのですが、間もなくなくなってしまうので新しく購入しようとしたのです。ところが、何故かもう販売していないのです!このキャバレロを磨いて終了です。

このポリッシュと並行してKen Smith Pro Formula Polish 楽器用ポリッシュを使ってみました。

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これも問題なく艶が出ます。ただ、汚れ落としはフリーダムカスタムギターポリッシュの方が優秀な気がします。それとKen Smith Pro Formula Polishは独特な匂いがします。慣れれば気にならないのですが最初はちょっと気になります。容量を考えるとKen Smith Pro Formula Polishの方が安いです。今後はこちらでも問題ないかな~という感じ。

話がそれましたが、当時はまだ合板の技術がなかった&そんなこと気にしなくても木材が豊富にあったという事で、このギターはオールマホガニー単板です。
ネックもマホガニー。多分指板はハカランダです。ハカランダも当時はまだまだ普通に利用されている材料だったのですね。
ギター自体が古すぎて情報が発見できないのですが、ブリッジが作り変えられているかもしれません。でも作り変えでわざわざアジャスタブルサドルにするかな?と疑問に思ったり。
これもハカランダなのかな~インディアンローズウッド~それともオリジナルなのかな~オリジナルだったらハカランダだろうな~と推測するしかありません。
※ネットで58年製のキャバレロ画像を見つけて比べてみたところ、ブリッジとペグが同じものでした。という事はオリジナルかもしれません。オリジナルだったら結構貴重ですね。

キャバレロも60年代中ごろ以降のものであれば、ブリッジがプラスチック製のものになっているのですがこの個体は1960年製なのでもしかしたら仕様が違うかもしれないので何とも言えません。
オープンバックの3連ペグが付いており、こいつもスムーズに回るので交換されたものかな?と思います。でも同時期のものと同じなんだよね・・・オリジナルかも。

同じラインで作られていたと思われる1967年製のLG-0だとアジャスタブルサドルだったりする上にバインディングも同じなのでやっぱり67年製?と思ったりもします。LG-0は67年から一部オプションでアジャスタブルサドルがセッティングされるようになったという情報もあったり・・・よく分からん。


分厚いピックガードがビス止めされているのも特徴的です。


ラダーブレーシングという安価?なブレーシング設計になっており、エピフォン初のスモールボディとして発売されたそうです。

ウェザーチェックバリバリの個体です。要するに塗装が厚いので木材との収縮差で割れているという事。ヴィンテージ感を出すために、あえて新品ギターをこの様に傷つける人もいます。このキャバレロはオリジナルの経年変化&エイジングです。

音はね・・・正直なところ良くないですね。
流石にこれだけアコギを弾き比べると音が分かるようになってきました。
何をもって音の良し悪しを判断するかという問題もあるのですが、ボディが小さくてラダーブレーシングだからなのかあまり鳴らない。マホだしね。
倍音はほぼ無いという感じ。
くまおさんはAmazonで約9,000円で購入したs.yairiのミニギターを自宅で弾くことが多いのですが、音はそれと似ています。
まあ、大したことないギターかな(笑)当時の安価モデルですからね。

とは言っても、現代で同じ品質の木材を調達するのはほぼ不可能でしょうし、指板にハカランダなど使えないし、ヴィンテージ感満載で雰囲気あるしという事で多分所有し続けるギターになると思います。東時代を超えてくまおさんの所にいやって来たんだな~と思うとロマンティックですね。1960年と言えばミッドセンチュリー期でありアメリカが最も豊かだった時代ともいわれています。

つま弾くにはちょうど良いサイズ感と音量かもしれない。比較的てのだしやすい価格帯のヴィンテージギターです。
さて、何本かギター売らないとな~

追記
12フレットの弦高が3㎜だったので2.5㎜まで下げてみました。

アコギで弾きやすいとされている弦高は2.5~3㎜の間です。3㎜だと人によってはちょっと高いと感じるかもしれません。

キャバレロはアジャスタブルサドルなので簡単に下がりました。
このネジを回すとサドルが上下します。ヴィンテージギターなのでネジの固着を心配しましたが何ら問題なくスムーズに回転しました。



そして12フレット6弦側で2.5㎜まで下げてみました。

そして弾いてみたところ・・・音がクソすぎる・・・汚い言葉ですみません。
なんだかポコポコ鳴りだして、まともに響きません。全然鳴らない。
スモールギターなので弦に一定のテンションがかかっていないと、響いてくれないようです。そこで再度弦高を戻しました。

その結果、まあそれなりに鳴るかなという感じです。スモールボディだからなのか?マホだからなのか?ラダーブレーシングだからなのか?はやり、キャバレロはそんなに鳴るギターで反ではないですね。個体差もあるかもしれませんが・・・。楽器屋さんで15万円位で売られていた個体らしいので、それなりなのかな~と思っていたのですがキャバレロのポテンシャルなのかもしれません。前オーナーは激鳴りと言っていましたが、それはないですね。