テキサンInspired by 1964(エピフォン)くまおさんギター

ペグボタンが無くなっている&アンプ出力未確認という事でかなり安価でオークション入手しました。
以前の記事で日本製テキサンを入手したという事を書きましたが、今回は2013年3月インドネシア製テキサンです。
現行モデルは中国青島工場なのでその少し前のモデルになります。右側です。左側はエピフォンエリートシリーズ、寺田楽器製。こちらの方が大幅に高いです。

ポールマッカートニーの使用でも有名な「TEXAN」の復刻モデルです。
TheBeatlesの「Yesterday」を製作したときに1964年製TEXANが使用されたことはあまりにも有名な話で、その後もライブ等で使用され続けている名機です。

定価が60,900円。くまおさんが入手したのはチェリーサンバーストです。ビートルズギア。

ちなみにポールはアンティークナチュラルカラーです。

この価格でトップスプルース単板、バックマホガニー単板です。サイドはマホの合板。シャドー製のピックアップまで付いていて、ペグはウィルキンソン製?(GOTHO系らしい)。くまおさんの所有している日本製エリートテキサンよりもスペック的には上じゃね?と思ってしまう造りです。ピックアップだけで2、3万すると思います。という事はトップバック単板のアコギを3万円位で作ってしまうエピフォンおそるべしです。

それと、当時と同じく「ブルーラベル」が使用されている点も特徴的でポールファンにはたまりません。本物はアジャスタブルサドルなので若干異なるものの、ポールのテキサンは右利き用を左利き用にブリッジ改造しておりアジャスタブルではなくなっているので、むしろこちらの方がポールっぽいといえます。どうせだったらピックガードも逆貼りにすればよいのに~。

貼ってあるシールはデトロイトレッドウィングスのロゴ。
くまおさんはこいつを再現しようと思って、シールを探したのですが日本では入手不可能。仕方ないので作っちゃえ!という事で、イラストレーターでデータを作成しました。
ただ、実際にポールカラーの日本製テキサンを手に入れて磨いてみると、高級機種過ぎてシールなんて貼れない・・・。
こちらのインドネシア製ならシールを貼っても良いかな~と考えているものの色が違うしな・・・と。だから貼らない。

入手した際はほぼ手付かずノーメンテ状態。おそらく前のオーナーは買ってすぐに弾かなくなり、放置したのではないかと思います。
手に取った時には埃を被っており、結構汚かったのですがペグ等を外して磨いたところボディ傷はほぼ無く、ペグもメッキ磨きで磨いたところ簡単に輝きを取り戻しました。

フレットに関しても研磨剤で磨いてピカピカ。フレット減りもほぼ無く、新品のような状態です。まあ、まだ5年物ですからね。
全くお手入れされていなかった様で指板はカラカラに乾いており、レモンオイルを吸う吸う。

さて、ペグが割れて無くなっているので何とかせねばなりません。
ペグ自体を交換してしまおうかとも考えたのですが、折角のポール仕様なのでそのまま残したい。それにクルーソンペグを買うと1万円位するので修理費が高くついてしまいますし。
という事で、ペグのボタンのみ購入して付け替えることにしました。

サウンドハウスで購入です。1300円位。他に代替品は売っていませんでしたのでこれ以外の選択肢がありません。
予想はしていたのですが、穴のサイズが違います。
そこで電動ドリルで無理やり穴を拡大し微調整しながら入れ込みました。

真ん中が今回は付け替えたペグボタンです。
どうでしょうか・・・色が違うよネ。元々ついているペグボタンは漂白された白色でザ・ホワイトといった感じの安っぽい色合い。
プラスチック感全開です。
今回購入したペグはアイボリーで多少のヴィンテージ感が出る為こちらの方が質感としては上でした。そこで、全部付け替えることにします。
元々ついていたペグボタンはペンチで挟んで破壊し取り外しです。まあまあのパワーが必要です。

こんな作業は人生で行った事が無いので少々戸惑いましたが完了です。くまおさんは手先が器用で良かったです。

音はね・・・まあ普通。アジャスタブルのテキサンを持っているのでそれと同じようなジャキジャキ系の音が出るのかな〜と思っていたのですが、出ませんね…。コイツはアジャスタブルじゃないからね。若い個体な上に、前オーナーには多分、ほとんど弾き込まれていないのでちょっとこもって、音が抜け切らない感じがします。トップバックは単板なので、弾き込めばこなれた音になるのかもしれませんが、現状ではイマイチかな。

持った感じとては「おお、結構いいじゃない。」と言ったところ。この価格帯のギターとしては群を抜いているのでは?と思います。
流石に日本製テキサンと持ち比べると、高級感としては劣ります。同じ形のギターで、同じウレタン塗装なのに不思議だわ〜。これは多分手にしてみると多くの人が日本製テキサンの方が高級感があると回答すると思います。バック合板だからむしろスペック低いんですけどね。

でも、ぶっちゃけほとんど一緒です。
1964テキサンはチェリーサンバーストも綺麗なので、ステージ映えしそうです。

テキサンはアコギにエレキのネックが付いているようなロングスケールの細めネックなので普段エレキギターを弾いている人でも扱いやすい機種だと思います。

ところで、エピフォンってネット上だとメタメタにこき下ろされているじゃないですか?でもね、それは実際に手にしたことがない人の意見だと思うのです。
くまおさんはなんだかんだで現在エピフォンを4本持っていますが、いずれも良いギターだと感じています。
今でこそ、ギブソンの廉価版ブランドですがその昔はギブソンと肩を並べるメーカーであり、当時のテキサンはギブソンと同じミシガンのカラマズー工場で同じ職人が作っていたと言われています。

現行のエピフォンモデルでも「ギブソンの廉価版コピー」と「エピフォンオリジナルモデル」が存在します。
レスポールやSGなどは廉価版コピーですが、このテキサンやキャバレロ、カジノやリヴィエラなどは元々エピフォンが製造していたモデルであり、廉価版でも何でもありません。

ヴィンテージ信仰が根強いですが、Stradivarius神話も何処かの大学教授の研究で崩れましたし、そもそも何十年も前に比べればコンピュータ制御で作られる最新ギターの方が作りや精度が良いのは当然の話で、むしろ昔のギターに勝てないなんて工業製品としてはダメダメなわけです。

トヨタ2000GTだって現代車と比較したらコンパクトカーと大してスペックが変わらなかったりしちゃう訳です。

そりゃギブソンは100年もギターを作ってるのだから当然ですね。

話を戻して、このテキサンは良いギターだと思います。おススメです。