お任せ下さい。私が担当です!・・・これ最悪。

勘違いしている人が多いようです。
感情論や人情論は一旦無視して、現実問題として捉えたときに「これからは私が担当です!誠心誠意努めさせていただきます!なんでも言って下さい!」みたいなことを言う営業マンは全く信用できません。

しかし常識的には個別の専門担当が付くことが望ましいとされています。
でもね、よ~く考えてみてください。

まず、その担当者が末永く同じ支店、部署、事業部、会社にとどまっている可能性は現実としてどのくらいの確率ですか?多くの会社では社内の移動が日常的に発生します。くまおさんのウォーターサーバー本部では毎年懲りずに組織替えが行われその都度大幅に人事異動が実行されていました。
くまおさんの会社だけかな~なんて思っていたら、珍しい事ではなく、お付き合いしている大企業に所属している殆どの人が「うちの会社は頻繁に移動があるんですよ~」と口をそろえて言っています。

という事は、本人の意思とは関係なく永遠に担当者が固定されるという事はあり得ないと考えるのが健全です。ですからくまおさんは自身の契約したお客様へは「自分が担当です!任せてください!」などと言う無責任なことは言えませんでした。

ところが・・・そういう事を言わないくまおさんが無責任者扱いされるのが会社という組織です。歪んでいますね。

今度はお客様側から考えてみましょう。
もしも、あなたの担当者が仕事の出来ない人、または生理的に受け付けない人だった場合どうでしょうか?そんな人から「御社の担当です!一生おつきあいします!」と言われたとしたら最悪ですよね。

少しステージを変えてみます。
キャバクラへ出かけて、横についてくれたお姉さんが気に入らなかったとします。「今日は私があなたの担当♪よろしくね!他の人の指名は出来ないからね♪」と言われたらどうしますか?お姉さん本人に言えなかったとしても、もう2度とそのお店へは行かないと思います。

上記を踏まえて考えると、専属の担当者を付けるという行為はとてもリスキーだしお客様メリットも少ないといえます。当たりの担当者が付いてくれれば良いですが、そうでない可能性の方が確率としては高くなります。
実際、仕事が出来ない人は結構多いですからね。くまおさんはウォーターサーバー会社でスーパーバイザーをしていましたが、ちゃんとお客様の売り上げ貢献をしていたのは1割程度です。代理店さんからすれば本部員は何でも分かっていると思っているかもしれませんが、所詮ウォーターサーバー会社の従業員ですから、そこまで優秀ではありません。特に優秀な人間は給与水準があまり高くないウォーターサーバー業界には留まらないので。

話を戻して、担当者に頼る営業を抱える会社はお客様に対して不公平感のあるサービスを提供していることになります。工業製品に置き換えるのならば「個体差が大きい」という状態になってしまいます。これでは安定しません。
個体差を少なくするためには、サービスを平準化する必要があります。

新規開発担当、契約事務処理担当、受発注担当、その後の連絡は地域連絡窓口へ、と言った具合にどのお客様でも均一のサービスを受けられる仕組みこそお客様にとって有利なサービスだと思っています。

この様に順を追って説明するとお客様も理解してくれます。
くまおさんも移動が多い部署だったので「困ったら何でも言ってください!」などと言う無責任なことは言いませんでした。代わりに上記の様な事を説明して、「会社全体として対応しますので困ったら地域窓口へご連絡ください」と締めくくるのが定番でした。

でもね・・・良かれと思って「お客様の為に何でもやります!」という営業をする担当者が必ず存在します。彼らには上記の説明をしても通じません。そういった担当者のエリアを引き継ぐ人は大変な目にあいます。結果としてお客様のとの関係が悪くなり双方にとって不幸な結末になることが目に見えているわけです。

会社側はある程度性悪説で仕組みを作る必要があると、くまおさんは考えています。その担当者がいつ辞めても同じ水準のサービスを提供できる仕組み作りが大切です。また、おこがましいかもしれないけれど、お客様を教育するという事もとても大事なセールススキルです。