PTA会費での懇親会(飲酒)は必要経費だと思う

昨年度都立高校のPTA会長を担当しました。立候補したわけではなく、知らない番号からかかってきた電話に出てしまった事が始まりで、子供がお世話になっている学校だし、断るのも悪いなぁと思い「お受けします。役職は何でもいいです。」と回答しました。

そして間もなく「会長を受けてください。」と連絡があり、まあそうなるよね、という事で2024年5月から2025年5月まで1年間の都立高校PTA会長という仕事を引き受ける事になった次第です。内容は、まあ大したことは無くて多くは主婦が片手間で引き受けられる仕事量ですし、難易度も低いです。

会長に選任された人が「この度PTA会長を拝命しました○○です。右も左も分からず力不足ではありますが、何卒宜しくお願い致します。」と言うのが大嫌いです。拝命なんていうほど大した仕事ではないし、あくまでもたまたま当たってしまった係みたいない物なので、くまおさんは最初から最後まで「今期、PTA会長を担当している」と言い続けました。

ただ凝り性な性格ですし、リーダーシップが強いので新しい事や、チャレンジングな事、外注化や簡略化など様々実施してかき回してきました。その結果7名の本部役員は仲が良くなり、「期末に打ち上げ懇親会をしよう!」となりました。

さて、この懇親会の費用はどうしましょうか?皆さんは自腹で構わないという雰囲気だったのですが、これはPTA会費から支出してもいいのではないか?むしろそういった前例を作るべきではないかと考えました。

今までは本部役員の活動に伴うお弁当はPTA会費で支出をしていました。また、各委員や役員への交通費は支給しています。

基本的にPTAという組織にはほとんど決まりごとがありません。あるのは会則位。人によっては「うちのPTAは○○の決まりがあって・・・」というのですが、おそらくそれは嘘です。思い込みです。この高校にも「決まり」と言われるものが多数存在していたのですが、よくよくほじくり返してみると決まりではなく、なんとなく引き継がれている慣例で根拠のない物ばかりでした。そこで、PTA事務員(そういった方がPTA会費で雇用されている※年40万円くらい)に過去に本部役員や委員がPTA会費を使って懇親会を行った事があるかを確認しました。

回答は「ありません。懇親会に会費を使用するのはおかしいと思います。」とお気持ち表明まで付いてきました。なお、おかしいと思う根拠は特にないようです。これも慣例です。そして、この方は昨今影響力低下が著しいPTA復権を願っている人。PTAはこうすべき、ああすべき、加入者が減っているから対策すべき、非加入者に記念品は渡す必要がないといった考えの持ち主。そんなにつまらなそうなのに「PTAはもっと活発に活動すべき、復権を目指すべき」と言っています。

かなり無理ゲーです。罰ゲームの様な組織に誰が入るのでしょうか?

話を戻して、くまおさんはPTA懇親会(飲み会)は必要経費だと考えました。何故なら、結構働いたからです。数えたところ1年間で28日間学校に行きました。別途、資料の作成等も行てっていたので、おそらく35-40日くらいは費やしたと思います。

必要経費の判断としては会社での考え方を基準にすればいいのではないかと思いました。想定した懇親会は、一人5000円程度です。この程度であれば4半期に1回位は英気を養い、より良い活動を行う為という理由で十分に説明が出来ます。

ただ、世間では「PTAはボランティアなのに、お茶菓子を食べながら作業してけしからん」「35℃の中で駐車場警備をしても水道水を飲んでいろ」「ケーキ?そんなもの必要?」「お酒なんて子供には関係ない!」という意見が散見されます。

実際には多くの人は「まあ、その位いいんじゃね?」と思っているはずですが、反対者はいつの時代も声が大きいものです。

ただね・・・皆がやりたくない仕事を引き受けている訳です。「じゃあ、PTAなんて無くせばいい!」と言う人が居ますが、そんなこと言っても今存在しているのだからその言い分は通じません。無くすには総会で決議を取ったり、方々に根回ししたり、担っていた仕事の担い手を手配したりと、それなりの労力が必要です。ではその反対者はPTA会長になってPTA解散の為の動きをするのか?と言われたら、まずそんな事はしないでしょう。ですから、やらない人の意見は一旦無視でいいと思っています。あくまでも、現在活動に協力してくれている方側に立って考えるべきです。

そこで、くまおさんは予算案に懇親会等と記載して総会を通し、それを根拠にPTA会費で懇親会(アルコールあり)を実施しました。これを通じで英気を養いコミュニケーションを円滑にすることが、PTA全体にとって十分に意義のある事だと考えたし、説明する自信があるからです。

多分、くまおさんの期で使ってあげないと、次期以降は使わないでしょう。数千円使う事で、面倒な保護者から文句を言われる位なら何もせずにやり過ごそうと考えるのが普通です。わざわざリスクを取りたくはありません。

そして、これを皮切りに次年度以降も必要だと判断すれば、懇親会やお茶菓子、お弁当、飲み物などを手配できるようにしました。その結果、役員や委員の方が仲良く活動できるならばそれが最もよい事だと考えたからです。とは言え、好き放題使えるわけでは無く、あくまでも適切な予算を計上して、総会で承認を得たうえで次年度以降の責任者が判断をするという前提となります。

こう説明したとしても、自分で組織を運営した事の無い方や、ビジネスから距離のある方にはなかなか理解がし難いかもしれません。

例えば、仮にあなたが専業主婦だったとして、旦那さんの収入に頼っていたとします。日頃子育てや家事をして、空いた時間でケーキを買って食べたとしましょう。でも、厳密に言えばケーキを食べなくても育児家事は出来ますよね?

例えば、疲れた週末に金曜ロードショーを見ながらプレミアムモルツを飲んだとしましょう。お酒を飲まなくても育児家事は出来ますよね?むしろお酒を飲んだらパフォーマンスが下がりますので、飲まない方がいいですよね?

と、こんなことを言われたらキレると思います。そして実際にはケーキを食べて、お酒を飲んでリフレッシュしたほうが、翌週以降のパフォーマンスはいいでしょう。すべての欲を我慢してイライラした奥様よりも、すこしふくよかでも、いつも機嫌がいいママの方が、旦那さんも出世します。トータルで「家族」という組織にはプラスです。

旦那さんも「俺の金でケーキを食べたのか?それは家計の為に使われていない。意味がない。」とは普通は言いません。もし言うとしたら、モラハラなので早く離婚したほうがいいです。

現代のPTAにおいて、ほとんどのケースで立候補者はいません。その為、皆やりたいわけでは無く、義務感から協力をしてくれている人たちです。誰かの面倒な作業を代わりに受け持ってくれている善意のある人が大半です。その人たちに、さらに追い打ちをかけるように、制限をするのはまったく理にかなっていません。ただでさえなり手が居ないのに、ますます誰も引き受けてくれません。やらせたいの?やらせたくないの?どっちなの?という話です。

この様な話をすると「そもそも、PTAなんていらない」と言い出すわけですが、それは先ほど述べましたね。

くまおさんもPTAは無くなればいいと思っていますし、それで特に不具合は無いと考えています。しかし、どうしても必要なのであれば有償化すればいいと思っています。役員や委員に日当を払えばいいのです。相場観から言えば時給1500円位でしょうか。会議は大体2時間くらいなので各委員長は会議毎に3000円位。本部役員はその前後準備や、自宅作業、行事参加などがあるので、日給1万円を超える日もあるでしょう。

報酬が支払われるならば、懇親会費用は各自が負担すればいいでしょう。

現代ではほとんどの保護者が働いてい、有休を使って参加している人や、パートタイマーならばその日は仕事が出来ないわけですから、実質金銭的な損を許容してPTAの活動をしています。その上で、食事も出ない、飲み物の出ない、お茶菓子弁当も出ないという事では、ある種のいじめです。

自分がやりたくない事を人に押し付けて、文句だけ言う。反論されたら、そもそもそんなものはいらないと逃げる。これは大人のいじめです。

いじめ、ダメ、カッコ悪い。

文化人っぽくお気持ち表明する意味が分かりません。

4半期に1回位、5000円程度の飲食というのは、パフォーマンスを維持する為には安い対価だと思います。皆に日当を支払うよりもよほどコスパがいいです。どうしても公平にという事であれば、やはりPTA活動に日当を支払うべきです。

ちなみに、駐車場警備を外注したところ一人工17,500円/日(税抜)(※地場では最も信頼のおける警備会社)でした。本来であれば、この費用を担当してくれた委員に支払うべきです。時給1,500円では安いですね。もっと上げねばなりません。

ボランティアで数十日学校活動をしてくれるPTA役員に対して、懇親会の費用は組織として見た際の必要経費と十分に言えるでしょう。それがだめなら日当を払わないと。その方が高くつきますが公正です。