魂は細部に宿るってのは本当だと思う

「神は細部に宿る」という、建築家ミース・ファン・デル・ローエの言葉があります。
魂は細部に宿ると言い換えられることもあり、くまおさんはその通りだと思っています。

先日奥さんの仕事に関するチラシを作りました。
以前にも作成したのですが、その際はくまおさんが奥さんにヒヤリングし、幾つかデザイン候補を出してその中から選んでもらい、プレチラシを作り、奥さんに添削してもらい仕上げるという超絶だるい作業でした。
やはりゼロから作るというのはとても大変です。
チラシ作成の為には、まずその依頼者の頭の中のイメージを吸い上げなければならず、依頼者側もはっきりとイメージがない事も多いので、骨が折れます。
くまおさんは学生時代からチラシを作ったりすることがあったので、人の頭の中身を吸い上げることの大変さは認識しているつもりです。

で・・・くまおさんはチラシをお願いされるときに「じゃあ、大体のイメージを、フリーハンドで構わないので紙に書いて持ってきて」と伝えます。
すると「全然分からないから任せる」と言われたりします。これがとても困ります。
全然分からないとは言っても、必ず頭の中にはイメージを持っています。でもそのイメージを言葉や絵にして表すことが出来ていないだけです。
ですから「任せる」とは言っていても、いざ「形にして見せる」と色々と意見が出てきます。

多くの人はイメージの吸い上げに時間がかかる事をあまり認識していません。ですから仮プランの提出を安易に求めてくるわけですね。「簡単でいいからちょっと作ってみてよ!」的な。

今回は奥さんが自力で頑張ってチラシをパワポで作り上げました。
やはり慣れない作業だったようで、夜遅くまで頑張っていました。
完成後、くまおさんに相談が来ました。

「どうしても、端がうまく表示されないの・・。私にはこれが限界!ヘルプミー!」

という事で、くまおさんがそのチラシ原案を預かり修正して作り上げました。
実際の作業としてはパワポ原案を元にイラストレーターで再制作しました。作業時間としては大体30分くらいです。
それを奥さんに渡したところ・・・

奥さん
「私は一生懸命時間をかけて作ったのだけれども・・・それをいとも簡単に再作成されて、しかも綺麗になっているのでなんだか複雑・・・色合いとかも一生懸命考えたのに、くまおさんが短時間で作ったものの方が綺麗なんだもん・・・」
くまおさん
「そりゃあねえ・・・。くまおさんは散々チラシも作ってきたし・・・。一応大学でも勉強してたわけだし。色味に関しても多少は知ってるつもりだし。」

文字のサイズを揃えたり、色味を合わせたり、文字の面を揃えたり、フォントを調整したり・・・そういった事を合わせる事が大切だったりします。
今回素早く修正作業が出来たのは、奥さんがテイスト、文面、表現したい内容、ゾーンニング等をすでに考えて具体化してくれていたからです。実際に奥さんはその作業に数時間かけています。こういった作業においては、実は具体的に形にする以前の調整の方が大変なのです。
その様な事は自らが同じ立場になって、同じ作業を経験して初めて理解できます。

学生時代にパロディのチラシを作ったりする際に、心がけていたことは「細部にこだわる」という事でした。

新聞紙面のパロディを作る場合は、紙面よりも細部の表記にこだわります。
〇〇新聞 第〇種印刷物 云々 の様な表記です。枠のラインが1重なのか2重なのか、フォントの種類は?文字間隔は?等々の本当に細部です。
この様な細部を再現する事により、パロディがより本物に近づきます。

ディズニー映画では水滴の表現に強いこだわりがあると聞いたことがあります。そんな事は多くの人は気にもしないけれども、気にしないからこその細部のこだわりを詰め込んでいるようです。
だれかが気が付いた時に、「こんな細部までも手を抜かない。さすがはディズニー!」となるわけです。

ですから、チラシでも細部が重要です。
そう、「魂は細部に宿る」のです。