相手の気持になって考える事はデフォルト

今回は幼稚園や保育園、小学校、はたまた親から学ぶ道徳的な話ではありません。

幼少期に教え込まれる道徳的な意味での「相手の気持になって考える」と言うのはその語尾に「相手が嫌がることをしない」とか「相手に迷惑をかけない」とか「思いやりを持って」という言葉が接続されることが前提になります。
くまおさんが、「相手の気持ちになって考える」という言葉の語尾には「相手の行動を読んで対策を打つ」とか「先回りして相手の弱点をつく」とか「仕掛けとして喜ぶことをはめ込む」という意味が含まれます。

このブログでくまおさんは度々話題にしていますが、中小零細企業と大企業の社員で大きく差が出るところが「相手の気持ちになって考える」と言うことです。
仕事柄中小企業のオーナーに何百人と会ってきました。そしてくまおさんのお父さんも中小企業の社長だったので、幼少期からそれらの人々と触れる機会が沢山ありました。大人になり大企業で勤めた後に中小企業に転職して日々痛感することが、この項目です。

大企業に勤めていると仕事関係者がとても多いため、常に自分のポジションと上下の人間関係に気を配りながら、「この書類は間違っていないだろうか?」とか「この稟議書で通過するだろうか?」とか「こういう言い方は後で自分に火の粉が降りかからないだろうか?」と常に考えます。これは発信した情報を相手側がどの様に受け止めるかという事を常に考えていることを意味しています。そしてそれがブレーキになったり、アイデアの飛躍を阻害したりします。一般的には「わるい事」とされますし、大企業病などと揶揄されたりします。

そして中小企業のオーナーはこれらを批判します。まあ、よくわかります。
では中小企業はどうでしょうか?

中小企業の従業員は相手の気持を忖度する力が低い傾向があります。というか忖度しなければならない場面が少ないので、相手の気持を読まない浅はかな行動を度々取ります。
「この書類はだれが読むのだろうか?読んでどう思うのだろうか?」などと考える習慣がないのです。なぜなら会社が小さいので伝わらないことがあれば、その場で口で言えるからです。故に「相手の立場になって考える」力がつきません。ですから、「えっ?この書類、伝えるという事を意識して書いてるの?」とか「相手のこと全く想定しないよね?」と言うことが度々発生します。夏のコバエのようにどこからともなく発生します。
大企業から転職してくると、特にこの力の差、スペック差を痛感します。
誤解を恐れず申し上げれば、学歴と、スペック差・個体差はかなりの確率で連動します。大企業と中小企業の間にはまあまあの、社員の学歴差があります。

さて、前項は従業員に限りません。社長にもその傾向があります。中小企業のオーナーには勘で経営している人も多く存在します。その勘が天才的だったりすることもあります。くまおさんの会社のオーナーは多分セールスの天才です。
しかし・・・くまおさんはまだ30代ですが、そのくまおさんからみて中小企業の60代の社長などでも「世間知らず」が沢山います。
例えば、世間一般の給与相場を知らなかったり、求人相場や、広告相場、人材のレベル相場や、業界毎の従業員レベル相場など、そもそも違いがあると考えた事がないという社長が沢山います。ですから、自社に「出来ない社員」がやってきたりすると、天変地異でも起こったかのように慌てふためきます。イヤイヤイヤイヤ・・・そういう奴は一定数いるから・・・。騒ぎ過ぎだし・・・。

先日、前職の大企業勤務時代の先輩と食事をしました。その人は現在は別の大企業に勤めており、その会社は誰でも知っているような会社であり、社員の多くは有名大学卒業のプロパーです。彼いわくザ・サラリーマンが多いとのこと。彼自身は代理店相手に仕事をしており、その対象は中小企業オーナーです。
その先輩は、くまおさんが工務店社長相手に仕事をしていたときの仲間です。

先輩
「やっぱりさ、中小零細企業の社員とかオーナーのレベルって低いよね・・・。」
くまおさん
「残念ながらそうですね。自身が中小企業に就職すると体感します。大企業では当たり前のルーチン作業が、中小企業では一大事だったりします。未来予測や危機管理能力のレベルがかなり低いです。まあ、その代わりにチャンスがゴロゴロある感じです。」

これは一概にどちらが良いとか、正しいと言う判断はできません。小慣れて賢くなればチャレンジしなくなります。
無知だからこそ出来る挑戦というのは沢山あります。
成功するかしないかは、チャレンジ回数と確率の問題だと考えているくまおさんは、これから中小企業の無知が所以のチャレンジに賭けてゆこうと思います。

さあ、今日もオーナー、社長、役員が想定通りの問題で、想定通りに揉め始めました。多分大企業であれば前もって議論になったり、避けられる問題です。
あーあ・・またか・・・。デジャヴ。