癖のある人としか付き合わなくなってきた話

 くまおさんは以前、世間一般で言う大企業で働いていた現在40歳です。大企業に属している人は肌感覚で、8割はザ・サラリーマン&サボリーマン、ぶら下がり社員ですが、2割は優秀な人がいます。その中でほんの一握りはとても優秀です。こういった人はバランス感覚に優れていて、仕事での結果はキチンと出し無能な上司とも上手に付き合い、他者への自分の見せ方も優れています。自分が正しいからと言って常に血気盛んに役員に立ち向かうようなことはせず、最大効果が出るときのみしっかりと自己主張します。こういった超優秀な人は自分の感情のコントロールが上手です。くまおさんは「どうもそれが出来ない、意見してしまう、これでは出世が難しい。」と感じて退職する決意をしました。

 さて、会社を辞めて7年、自分で会社を経営するようになり3年ほど経過します。先日、当時の先輩と食事に行く約束をしました。この先輩は男気があり、血気盛んで出世しきれないないタイプでした。部下の矢面に立って正々堂々と上司とやりあう頼もしい先輩です。色々とみていると、どうやらこういった人は組織だとなかなか出世出来ないようです。ちなみに私はこの先輩が大好きです。

 せっかくの飲み会なので当時の仲間を誘おうかという話になり、くまおさんが何人かに声を掛けました。そこで気が付いたことがあったので共有したいと思います。それが、「声かけた人、みんな癖が強い」という事です。くまおさんの当時の仕事環境は全員が10歳以上年上でした。それゆえ声掛けした人たちもみな年上です。

 サラリーマン当時は癖がある人と仲は良かったものの、いざプロジェクトに取り組もうと思うと正直邪魔だな~と思ったりしていました。会議で余計なことを言ってみたり、上司とぶつかってみたり・・・。まあくまおさんもその一人だったわけで、人のことは言えないのですが。ですから、癖の少ない人との仕事の方がスムーズで心地よかった記憶があります。

 しかし、会社を経営するようになると、俗にいう「普通の人」と交流しようという気があまり起こらなくなります。経営者はただの食事会という概念は持っていないので、何かしらビジネスにつながらないかを常に考えています。その時に、「普通の人」をあまり欲しないのです。お相手が40代を超えだすと、ちゃんとした普通の人の会話は想像の域を出ないことが多いです。別にそれが悪いわけでは全くありませんし、その方が多くのケースではうまくゆきます。でもね・・・あまり面白くないのです。刺激がないですし、正直なところ聞いても役に立たない。

 ちなみに飲み会メンバーの現在は、一人は大企業のグループ会社の社長になった人、一人は大企業の子会社の立ち上げメンバー、一人は新規ベンチャーのトップセールスマンといった具合。今回は予定が合わなかったものの、ほかに声をかけたのは上場企業の社長室長、上場企業の子会社役員です。皆さん50歳以上なのでそれなりのポジションを得ています。そして、これらがみんな癖だらけ。これらの人々、笑っちゃうくらい人の話聞かないんですよ。

 でも、せっかく話を聞くなら自分の想像の外側の体験を聞きたいじゃないですか。想像できる範囲の話を聞いてもあまり得るものはないので、自分では経験したことがない事や、まったく新しいことを聞きたいと思うのです。地元の幼馴染なら昔話に花を咲かせればいいと思いますが、社会人になってから作られた関係に昔の思い出話はあまり必要ないかなと思っています。

 経営者として生きているとランチや飲み会での愚痴に巻き込まれることがなくなります。これだけでも精神衛生が大分向上することでしょう。