口コミが勝手に広がるわけがない

テレビを見ていると「口コミで広がる…云々」という話がよく出てきます。
口コミで広がった美味しいピザ屋さんとか、パスタ屋さんとか。

これを本気で信じている人が結構多いですよね。
口コミは勝手に広がるわけではなく、口コミが広がるように仕掛けをして実行したから広がるのです。それらをビジネスとしてサポートしている会社も世の中にはたくさん存在します。

多くの人が人生ではあまり触れることのない業種があります。それがPR会社です。日本のトップ企業はベクトルという会社で株式を公開しています。少し前に、情報操作をしたとして糾弾され、社長が「当たり前のこと」という旨の発言をしたことで炎上しました。しかしエンドユーザーと接点のある会社ではないのであまり話題にはならず、いまではだれも覚えていません。おそらく同じことが繰り返されていると思います。

一般的に企業の宣伝をするとなると、有名なのは電通、博報堂、アサツーディ・ケイです。テレビCMや広告等様々なメディアを仕切っています。しかしこれらはあくまでも「広告」をメインとしています。
一方、先に述べたベクトルのような会社は、能動的な宣伝ではなく受動的な取材を演出したPRを行います。例えば、テレビ番組の制作会社にアプローチして、自社製品を交えたトレンドを自ら作り上げたりします。テレビCMを流すのが電通の仕事だとすれば、ニュースのコーナーで取り上げてもらう様に演出するのがPR会社の仕事です。
また、実際にはテレビ番組の出演者に費用を支払い、自社製品が有利になるような発言を依頼するケースも存在します。

くまおさんはウォーターサーバー会社ので新規事業立ち上げの際に複数のPR会社や広告代理店と接触しました。その際にあるPR会社の担当者がそういった事例をもとにくまおさんに営業をかけてきました。詳しい内容の公開は差し控えますが、多くの人が知っているタレントが多くの人が知っているテレビでステマを行っているという事実がそこには存在しました。

「〇〇さんは、企画の趣旨にご賛同いただけたので、結構安い金額で動いてくれたんですよね~」

と言っていた記憶があります。芸能人はこういった副収入が結構な額だったりするのだろうな~と想像しました。ちなみに、タレントに幾ばくかの費用(数十万~数百万)を積んだとしても、テレビCMや新聞広告に比べれば非常に小さい金額なので企業側から見ると十分に意味のある行為です。

くまおさんも昔は純粋に「口コミ」を信じていました。
くまおさんの周りの人は今でも「口コミ」を純粋に信じています。だからこそ口コミや紹介に頼って仕事を取ろうと期待するわけです。そしてその様な担当者は往々にして成績が悪いと相場が決まっています。

口コミは勝手には広がりません。どの様に広げれば広がるのかを考えながら実施して、稀に当たりが出るのです。そしてその当たりを求めて綿密な計画を練るのがPR会社だったりします。聞いた話だとアメリカ大統領選挙にPR会社が絡むのは公知の事実だそうです。

少し前に「女神の見えざる手」というロビイストの映画が放映されていました。今度見てみようと思います。