仕事に聖域を作っちゃうオジサン達

チームで仕事をする際に気を付けていることがあります。
それが「聖域を作らない」という事です。

勘違いしている人が多いのですが一般的な会社において「自分にしかできない仕事」などというものは存在せず、仮にそんなものがあるとするならば、単にその人の能力不足です。

多分ほとんどの人は自分は特別だと思っています。くまおさんも例にもれません。
自分だけは特別だし、価値があり、人とは違うと考えていたり、思いたかったりします。
ところが、実は特別であることはほとんどなく、大体のケースで「普通」です。
代替が存在します。
例えば、会社を退職する際に「自分がいなくなったら困るだろうな~」とみんなが思います。
しかし、くまおさんが見てきた限りでは壊滅的に困ったことは一度もありませんでした。たしかに一時的に混乱することはありますが、すぐに日常に戻り復旧します。
寂しいくらいに自分が存在していた意味がかき消されます。

ベッキーの不倫騒動の前までは、ベッキーは唯一無二の存在だと思われていました。
ところが、いざ居なくなってもテレビ業界にはさほど影響がありませんでした。
更に遡れば島田紳助が居なくなってもテレビ業界は回っているし、変わりが台頭してきたりするのです。(※島田紳助レベルが居るかどうかは別にして・・・)
あれだけ特殊性があってもそんなものなので、我々凡人では影響力は微々たるものです。

ただ、これは逆から見ると会社という組織の強みであり、これは組織が大きければ大きいほど自己再生能力が高いです。
ですから、大企業と取引していると担当者がころころ変わっても、「まあ大丈夫」という訳です。
ちなみに、「まあ大丈夫」と言うだけで実際には対応する側は困ります。担当者が変わるごとに自社の説明や内容を理解してもらわなければならないので面倒です。しかし、ビジネスが成り立たないほど壊滅的な打撃になる事はまずありません。

会社に長い間在籍していると、男女限らずお局様的な人が発生します。
これは代々受け継がれた大事な役目なのではないだろうか?と疑いたくなる位必ず発生します。
そして、それらの人々は必ず仕事に対して「聖域」を作ります。

例えば、その人しかできない発注とか、その人しか触れないウェブとか、その人しか許可が出せない会計とか・・・色々とありますが、他の人に触らせない聖域を確保するようになるのです。
本人曰く大切で難易度が高いので他人には任せられないという事らしいのですが、ほぼ100%勘違いです。しかし、本人はその勘違いを信じて疑っていないので牙城を崩すことは容易ではありません。

概して仕事に聖域を作ったり、ブラックボックスを作り出すオジサンは優秀ではありません。
本当に優秀な人は情報をどんどん外に出してゆきます。パクるならどんどんパクれと言わんばかりです。
さらに優秀な人はその情報の出し方に強弱をつけて、見え方が最高になる様にプレゼンテーションします。ここまでくると才能だと思います。
実際に、大企業では情報を出しすぎて損をするケースもあります。あえて能力を隠しておいた方が有利に運ぶという事もあります。
これは本当に面倒な事象です。そして、そういった事を繰り返してゆくと能力が低い方に固定されてしまい個人のパフォーマンスが落ちます。

零細企業の場合、そういった意図的な出力制限をかける必要が無いので気が楽です。

学生の頃に六角鬼丈という少々イカれた設計(※褒め言葉です)をする建築家の授業を受けたことがあります。
その時に彼が言っていた言葉です。当時は東京芸大の教授だったかな?

「アイデアはどんどん外に出しなさい。それでパクられるようなものならば所詮そんなものです。」

カッコイイ~!痺れる~!
なかなかそこまでは言えないのですが、漢たるものそうありたいですね。

聖域を作っちゃうオジサンはカッコ悪いです。