モーリスMD-505デカールとW20

高校生の頃から組んでいたバンド仲間とかなり久しぶりに、プチライブを行うことにしました。
基本的にはアンプラグド・ライブにしようという話になり、アコースティックギターを調達することになりました。

近所の中古楽器屋さんへ向かい開口一番こういいました。

「安いアコギがほしいんだけど、良いの有ります?」

「安いって言われてもね〜どの位?」

「数千円のやつで十分。年に1回自宅のガレージで弾くだけだから」

「じゃあこれなんてどう?」

まず出てきたのが当時定価2万円ヤマハのタバコサンバースト。まあ悪くない。
次にモーリスの当時定価3万円の合板アコギ。まあこれも悪くないですね。

そしてその次に登場したのが当時定価2万円のモーリスMD-505です。弾いた瞬間前の2種類より明らかに鳴りが良かったのですぐに決めました。おそらく1982~1983年製。モーリスはシリアルナンバーで時期が分からないので、カタログラインナップで判断する必要があります。

右側がMD-505で左がモーリスW-20です。両方共合板のいわゆる安ギター。W-20はMD-505の前モデルです。こちらは多分1977~1981年頃だと思われます。若干古い。トップ板がかなり日焼けして貫禄があります。長い間放置していたので、ペグやフレットに青サビが出ていましたが、コンパウンドで磨いできれいにしました。ネックの反りやボディのふくらみ、ブリッジ浮きもなく安定した個体です。

W-20は祖父がリサイクルショップで25年前くらいに突然購入してきました。それまで全くギターには縁のない祖父でしたし、我が家には誰もギターを嗜んでいる人がいなかったのでチューニングすら出来ない状態でした。買ってきたはいいものの、全く弾く素振りを見せない祖父。じゃあなんで買ってきたのさ?と思っていました。
今と違ってインターネットが普及していなかったので、調べようと思っても何も調べられません。何がわからないのかすらわからない状態。弦がどこに売っているのかもわからないし、そもそも楽器店の場所すら知らない。

懐かしい思い出です。

今回購入したMD-505を持ち帰って観察していてふと思いました。
「このダサいモーリスのロゴはなんとかならないのだろうか・・・」
紙やすりで軽くこすってみることに。

おー消えるじゃないか!これはちょっと遊べそうだぞ・・・。
という事で、このMD-505ドレッドノートをマーティンD-28へデカールしようと決定しました。
まずはヤフオクでマーチンの水貼りデカールを購入。2,000円弱で購入しました。結構高いね。

削り取ったロゴの位置にマーティンロゴを貼ります。
ペグも全て外したかったのですが、金具がどうしても取れない。きっと打ち付けてあるのでしょ。仕方がないのでマスキングして準備完了です。
水貼りデカールはシールを張ったままだと後貼り感が全開なので、それを隠すためにクリア塗装をします。ネットで色々と調べていると、砂吹きやら仕上げやら色々と塗装のノウハウが見つかりました。主にプラモのデカール後の仕上げクリアを参考にしました。
うす〜く何度も塗り重ねて・・・


はい、残念でした〜失敗です(笑)
垂れてるし・・・塗装って難しいな・・・塗装職人さんってすごいな・・・。ここから磨きで何とか挽回します!

まあ仕方がないので、ペグをつけてしばらく乾燥させます。1週間位は放置しました。
その後、800番、1500番の水ヤスリで凸凹を磨きます。

おー結構マシになったではないか!とは言え気泡は入るわ、磨きすぎて塗装に穴が開くわでクオリティは相当低いです。
まあ、いいです。お遊びギターなのでそんなもんです。
そしてサウンドホール内のモーリスラベルを剥がします。
その後なんとなく作成したD-28っぽいマーティンラベルを貼り付けます。サインのKはくまおさんのKです。なんとなくそれっぽくない?バリバリの日本製ギターですが、ラベルにはmade in USAと書いてみました。 
くまおさん、マーティンって弾いたことがないので詳細が分かりません。そもそもD-28ってラベルついてるの?という位の知識しかありません。とは言えラベルを貼る事でそれっぽさがだいぶ増しました。

その後マーティンのHD-28を入手して分かったのですが、マーティンは基本的にラベルは貼っていないようです。限定やアニバーサリーモデルは張ってある模様。例えば、ゴールデン・エラとかマーキスとか。

マーティンのライトゲージ弦を張って完成です。※その後エクストラライトに張り替えたところくまおさんの好みのシャラランとした音になりました。弦のテンションも下がったので弾きやすいです。

その後ヘッドをさらに磨いたところだいぶきれいになりました。

後日バンドの集まりがあり、モーリスMD-505マーティンカスタムを持ってゆきました。
するとくまおさんの弟(ギターに詳しい)が一言。弟も今回のバンドメンバーです。

「エッ?それどうしたの?」
ヘッドのロゴと中のラベルをみて・・・
「おーニッパチじゃん!」※マニアたちはD-28の28の部分をニッパチと読む。

くまおさん
「ヘッド裏を見てみたまえ。」
※ヘッド裏にはモーリスの印字が有り、これは削り落とせませんでした。


「え?でもマーティンロゴ入ってるじゃん?」
くまおさん
「デカールしてクリアで仕上げした。」

「??????????どういうこと?」
くまおさん
「まあ、そういう事だ。とにかくパチもんだ。でも良いだろう?」

「いいね〜(笑)」

元々ギター自体が40年近く前の代物という事もあり、くまおさんの下手くそなデカールが逆にレリック加工の様な役割を果たし、まるで経年劣化かの様に溶け込んでしまったという偶然です。

くまおさんは何でも自力で自作しようと試みる傾向があります。それが時として一般の常識を超えていることがあるようです。今回のデカールに関しても、普通はロゴラベルを貼ってクリア塗装をして、水研ぎ&研磨、ポリッシュをすると言うのは常識を超えていたようです。だから弟の頭にも?が浮かんだんですね(笑)

さあ、それではいってみましょう。全てマーチンライトゲージの指弾きです。
曲はザ・ビートルズで「blackbird」です。※弾き語りVer.
なんかボーカルの音がずれてる気がするな〜伴奏と一緒に聞いている分にはさほど気にならないモノの、ボーカルだけ単体で聞くと音痴・・・。まあいっか。

2カポ2音上げでのブラックバード。こちらの方が歌いやすかった。

続きまして、「ノルウェイの森」です。※弾き語りVer.指弾き

これだけマニアックな記事なので、ここまで読み進めている人は稀でしょう。
という事でくまおさんの音声データを公開しました。

ごきげんよう。さようなら。

PS
ちょうどその頃、神戸製鋼所のデータ改ざん問題が取りざたされていました。そこでくまおさんは空売り(価格が下がると儲かる)を仕掛けます。少量でしたが利益が出ました。
それで気をよくしたくまおさんは、週明け(この時点では金曜日)に1,000株(大体100万円分位)の空売りを追加で仕掛けました。
土曜日、日曜日にはさらなる悪材料も追加され、謝罪記者会見もありましたし、知らないと言っていた会社幹部が実は知っていたというお粗末な顛末も露見しました。

これまはまた株価ダダ下がりだな~などと余裕綽々で月曜日を迎えるくまおさん。

月曜日、くまおさんは775円で空売り完了。

ところが・・・株価が上がり始めたのです。テレビでは謝罪会見が放送されているのに・・・なぜ?結局そのまま株価は上がり続け、現在では元の根の水準まで戻しています。
くまおさんはその途中で耐えられなくなり手放しました。
その損失は・・・25万円。チーン・・・。

それを尻目にせっせとデカール作業をしていたくまおさん。
本物のD-28買えたじゃん!ってお話し。