ブラック企業Episode5

商人の道という詩を知っていますか?

さて、くまおさんが就職したブラック企業は港区白金に本社が有り支店が横浜と大宮にありました。
くまおさんは主に横浜と白金オフィスを拠点としていたのですが、大きな組織替えがあり転勤を命じられました。

ちなみにくまおさんは横浜に部屋を借りて1ヶ月以内の出来事です。

社長
「くまおさん、君ね明後日から大宮でリーダーね。よろしく。」
くまおさん
「はい?・・・あの部屋を借りたばかりなのですが・・・社長もご存知かと・・・」
社長
「寮に入ったらええやん。事務に言っとくから。」
くまおさん
「でも急に・・・」
社長
「じゃあ、横浜でアポインターやれや!それが嫌なら大宮や!お前土着しとんの〜農民か!」
くまおさん
「農民ではありません!大宮へ行かせていただきます!押忍!」

当時の挨拶は「押忍」です。信じられないかもしれませんが本当です。
体育会系ブラック企業なんてどこもそのようなもんです。

ちなみに「農民か?!」というフレーズには前置きが有ります。
くまおさんはリーダーになった後から社長に下記のような詩を刷り込まれていました。

【商人の道】

農民は連帯感に生きる。
商人は孤独を生甲斐にしなければならぬ。
総ては競争者である。

農民は安定を求める。
商人は不安定こそ利潤の源泉として喜ばねばならぬ。

農民は安全を欲する。
商人は冒険を望まねばならぬ。
絶えず危険な世界を求め、
そこに飛びこまぬ商人は利子生活者であり隠居であるにすぎぬ。

農民は土着を喜ぶ。
大地に根を深くおろそうとする。
商人はどこからでも養分を吸い上げられる浮草でなければならぬ。
その故郷は住むところすべてである。
自分の基所はこの全世界である。
先祖伝来の土地などという商人は一刻も早くそろばんを捨て、
くわを取るべきである。

石橋をたたいて歩いてはならぬ。
人の作った道を用心して通るのは女子子供と老人の仕事である。
我が歩むところそのものが道である。
他人の道は、自分の道でないということが商人の道である。

社長いわく、営業マンは商人でなければならず、安定を求めて土着するとは何事だと仰ったわけです(笑)
右も左も分からない22歳のくまおさんはほぼ社長に洗脳されていたので、急な転勤を引き受けて大宮へ旅立ちました。
本当にインテリヤクザみたいな社長だったな〜