ビジネススキルの乖離が大きいと揉める

多くの事でそうだと思うのですが、パートナーとのスキルや知識の乖離が大きいと上手くゆかないそうです。
結婚に関しても学力差が大きい2人はやがて上手くゆかなくなるそうです。恋人同士になる段階で既にある程度線引きされたりもします。

くまおさんは世間一般で言うところの大企業から、お父さんが役員を務める零細企業に転職しました。
転職して3年が経過するのですが、ビジネススキルや知識量の乖離が他社員と大きい事が徐々に分かり揉めることがあります。

会社の中ではくまおさんが圧倒的に年齢が下です。ところが、かなり控えめに見ても営業スキル、ビジネススキル全般、一般教養に関してくまおさんの方が上回っており、話のスピード感が大きく異なります。
実はこの感覚を味わったことが過去にありました。それが中学校時代です。
中学校の時に段々と周りの友達と距離を感じるようになり、同じ高校に進学した同級生(昔から仲が良かった)との会話がとてもスムーズで心地よいと感じ始めたのです。
現在でも高校時代の友人との付き合いが一番多く、会話もスムーズです。
ところが、中学校時代の同窓会等へ行くとかなり戸惑うことがあります。

後になって気が付いたのですが、おそらくこれは学力や教養の差が出始めた頃だと思います。
中学校時代、くまおさんは不真面目(学業成績は優秀)だったのでそういった友人が周りに沢山いました。盗んだバイクで走りだしちゃう系です。
それが、高校受験というフィルターを通過する事で、同じくらいの学力レベルの集団に入る事になり、最初は戸惑ったものの次第に居心地が良くなってきました。

社会に出てからは、自然とその様な環境に身を置くようになり自分が成長すると同時に、ステージも上昇する事が出来たのだと思います。
そして、お父さんの会社に転職する事でステージ自体が低くなった為違和感を感じるのです。
ちなみに、ステージは低くなっていますがビジネスの成功や報酬の大小はそれとはあまり関係ありません。
ですから、それ自体は悲観的ではなくむしろ大企業勤務時代の閉鎖感から解き放たれた今はとても未来が明るいと感じています。これは結構マジです。

先日、友人と飲み会をしていてこんな事を言っていました。

「宝くじが当たったら今すぐ会社を辞める!」

よく聞くフレーズです。くまおさんも大企業時代はその様に思っていました。ところが、今はそういった事を全く思わないのです。宝くじが当たっても仕事は続けると言い切れます。これはとても幸せな事ですね。

とは言え、くまおさんは主にお父さんをパートナーとして仕事をしていますが、学力と経験と教養の差がありすぎて困っています。
これは単純にくまおさんがお父さんを追い抜いてしまったという事です。
お父さんは元々工業高校卒業で、その後は建築関係の会社を経営しており技術畑の人間でした。
ですからその分野に関してはとびぬけた知見と経験を有しており、東京オリンピックに向けて建築士不足が叫ばれる今では、引く手あまたです。
しかし、知識や経験がその一点に集中しておりその他分野に分散していません。
読書の習慣もなく、学業も基本的にはドロップアウトしています。中小企業の社長にありがちな「歴史と地理だけやたら詳しい」というやつです。
その為、くまおさんが営業会社時代の勢いで詰めたり、叱ったりすると我慢できなくなり拗ねます。そしてキャパシティを超えるとキレます。
くまおさんとしては「これくらいのプレッシャーでキレちゃうのか・・・困ったな・・・。」と感じるレベルです。
大企業時代はそのくらいのプレッシャーは日常的に存在していたし、特に難しい要求もしていません。
ところが、ビジネススキルの乖離が大きすぎる為、それが認識できない様なのです。
例えば「メールをもらったらちゃんと返信しましょう。」という様な基本的なスキルが不足しています。
お父さん宛に届く交渉系のメールの場合、くまおさんが文章を作成して代わりに送ります。何故なら国語力が足りずに稚拙な文章になり、相手に幼稚な印象を与えてしまうからです。
初めはお父さんに説明して、文章の書き方を教え、実際に書かせて添削していたのですが、一向にスキル向上が見られない為、「こりゃあ無理だ」と判断し、くまおさんが代わりに文章を用意することにしました。

また、分からない事はまず調べる、優先順位をつける、ホウレンソウをしっかりと行う、顧客管理シートを作成する等々の大企業ではルーティンワークとされる事が零細企業の場合、日常化されていません。

会議を行っても、想定される問題点を認識するだけの経験と教養がない為、失敗確率の算出が明らかに間違っています。
そこで、以前の記事でも書いたことですが「くまおさんのいう事は正しいけれど、正しければいいってもんじゃない!」という苦し紛れの反論をすることになります。

仕方ないじゃんか!明らかくまおさんが正しいんだから。
これが、検討に値するレベルで揺れている事案であればその言い分も分かりますが、それよりももっと低次元での話なので、くまおさんから言わせてもらうと議論の余地すらないのです。

それに、「正しいと信じている奴のいう事」「正しい自信がない奴のいう事」であれば、どちらの言う事を信じたいですか?
くまおさんは前者です。自信のある奴と仕事をしたいと普通は思うはずです。

お父さんは当然年齢的に上なので、本来であれば教養が上回らなければならないのですが、建築へ知識が集中している&あまり学力が高くないので、くまおさんが追い抜いてしまいました。お父さんの知識吸収母体はテレビであり、くまおさんは書籍です。これが更に乖離を加速させます。

また、現在の弊社の仕事内容が職人寄りではなく営業寄りになってきているという事も要因として挙げられます。
会社自体が成長し始めているので、従業員もそれに合わせて成長する時期に差し掛かってきていると、くまおさんは判断しています。

とは言え、この如何ともしがたい知識と経験の差は本当に厄介です。
先が見えすぎる失敗や、行動が読めすぎる発言、浅はかすぎる思考、過去に学ばない教養不足。
これらは本人が自覚できないので周りが指摘修正するのですが、自覚できていない事への指摘は反発を招きます。
くまおさんはお父さんへの仕事投入量を調整していますが、それ自体を本人が認識していなかったりします。
調整しても定期的に漏れるので、漏れたものを拾うのもくまおさんの仕事です。
でも漏れていて、拾われて再投入されているという事自体を認識していないので、指摘されるとキレるんですよね・・・。

弊社の様な零細企業にはそもそも優秀な人材は集まらないという事を前提に考えなければならないと、日本電産の永守社長が言っていました。