スキルの分散とスキルの集中

人に話してもあまり通じないのですが、言われてみると納得できる話かと。

くまおさんは予てから「寄り合いが好きじゃない」と言っています。
自営業の様な仕事をしているくまおさんやその周りでは、やれ商工会だ、やれ青年会議所だ、やれライオンズクラブだ、やれロータリークラブだ。○○勉強会やら異業種交流会やら、議員先生後援会青年部など、あらゆる団体がひしめいています。

何故その様な寄り合いが好きではないかというと、アドバイスが「本当に役に立たない。マジで役に立たない。役に立ったこと一度もない。」からです。こういった話をすると「いつかどこかで・・・」「参加するだけはタダだから・・・」「石の上にも三年」etcという諭され方をするので疲れます。

で、一番困るのが「役に立たないアドバイス。マジで意味ないアドバイス。それ既にやったし、アドバイス。誰でも思いつきそうなアドバイス。」です。
くまおさんの記憶では、自分から求めてお願いした以外で役に立ったビジネス上のアドバイスは皆無です。
特に不要なのが「〇〇社に行ってみたらどう?」「部長知ってるから紹介しようか?」的な有難迷惑アドバイスです。これはマジで不要。まず決まらないので要らないっす。

とまあ愚痴はこのくらいにして。スキルの分散というテーマについて書いてみます。
先の記事でも書いたのですが、くまおさんは海外展開をしたい化学薬品ビジネスを有しています。そしてそれを海外WEBでPRしたいのですが、必要なスキルをまとめて有している人が見つからずに困っており、結局存在しないので自分でやる事にしたという経緯があります。
例えば上記で必要だと想定しているスキルは下記です。

【海外用】
■言語スキル
■翻訳
■海外のSEO事情に精通
■各国の検索エンジン等の基礎知識
■海外の広告事情に精通
■海外サーバーやドメインに関しての知識
【基礎スキル】
■ライティングスキル
■アフィリエイター的、セールス的視点
■ウェブ構築スキル

すこし考えたらわかる話ですが、こんな奴いません(笑)基礎スキルでさえWEB会社社員程度では持っていないのに・・・。

ただ、分解すれば沢山存在します。例えば翻訳者はいくらでも存在しますし、クラウド翻訳も精度が上がってきています。海外サーバーやドメインに詳しい人もいます。
また、SEOとドメインの関係に関しての知見がある人も存在するでしょう。基礎スキルに関してはアフィリエイターだったら兼ね備えています。

でもね、これらが全部バラバラでは意味がないのです。基礎スキルがあってもコミュニケーション能力が無ければビジネス相手としては取引が出来ないかもしれません。
そして、多くの「寄り合い」でもらうアドバイスは大体のケースで、この「個別スキル」に関してのものなのです。それにアドバイスをもらってもあまり意味がない事はお分かりいただけると思います。
くまおさんの様な自営業者は「・・・で、じゃあ、それをどうやって現実的に実現するか。」という課題にいつも向き合っています。
多くは資金面で断念せざるを得ません。

例えば「海外WEB展開をしたい」と誰かに漏らしたとして、「広告代理店:電通」を紹介されても実施不可能です。資金的に頓挫する事が目に見えているからです。

少し話がそれました。
スキルの分散は良く直面する課題です。これらを結び付けるものがマッチングビジネスだったり、コンサルタントだったりするのでしょう。

「スキルの分散」に対して、実はくまおさんは唯一無二に近い「スキルの集中」を持っていると思っています。
それがリアルセールスとウェブセールスの融合についてです。

くまおさんは元々は訪問販売員でした。その後、法人向けに無形商材の販売を行い、社長向け法人営業を経て、ECサイトの立ち上げを行い、同時期にアフィリエイターとしてウェブサイトの構築スキルを身に付けました。
持論として「リアルとウェブでのセールスは同じ。土俵が違うだけ。」というものがあります。

経験上、リアルセールスが得意な人はウェブに疎く、ウェブに精通している人はリアルセールスが苦手です。これら両方を兼ね備えた人には未だかつて一度も出会ったことがありません。
ウェブSEO会社のセールスマンも自身でWEBサイトを構築できるというスキルは持っておらず、ましてやアフィリエイターとして稼いだことがあるリアルセールスマンなど見たことがありません。

ですから多くの人がウェブセールスとリアルセールスを別物だとして捉えています。実際にはウェブセールスとはあくまでもリアルセールスの考え方をウェブ上に落とし込んだにすぎません。
しかしこういった事象自体を説明できる人もいなければ、そもそも体験した、考えた事すらないという人がほとんどなので存在すら認知されていません。

でね、くまおさんは自分一人でこれが一通り実施できます。
例えば、売りたい自社商品を設定して、課題設定、リアルヒヤリング、ウェブ動線の設計、キーワード選定、ウェブサイトの作成、ウェブサイトの最適化、SEO対策、ステルスマーケティング、サテライトサイト作成、YouTube動画投稿等です。
そしてそれらの結果を再度現場のリアルセールスにフィードバックし、クロージングbookを作ったり、パンフレットを作ったりすることが可能です。adobe系のソフトも使えるので大体自力で作業できます。

この様なスキルが身に付いた理由は「それ以外方法がなかった」からです。零細企業であるくまおさんの会社では広告費をかけたり、営業マンを雇ったりするお金はありませんでした。
しかし、顧客開拓をしなければ会社が潰れてしまいます。そこで出会ったのがウェブマーケティングでした。アフィリエイターとして基礎知識はありましたが、ウェブサイトの作り方等をさらに独学で勉強して知識と経験を積み上げました。ウェブマーケティングにはほとんどお金がかかりません。
ウェブサイトを構築しても製作費はゼロ、年間の維持費は1サイト1000円~2000円程度です。外注すると数十万円のサイトでも、自分で作れるので量産できます。
そこまでページ数の多くない企業サイト程度であれば半日くらいで構築できます。これは専門外の人からすれば驚きだと思います。また、すべてを自分の脳内で完結できるので打ち合わせの必要がありませんし、意思疎通の必要もありません。即ち伝達漏れも無いので、言った言わないのもめごとも起こらないわけです。
また、自分でウェブサイトを随時変更できるスキルを持っているので、課題や気になるキーワードを見つければその場で修正します。出先でもスマホでウェブサイトの編集が出来る様にセッティングしてあるのですぐに変更します。

これは「スキルが集中」している事の圧倒的な強みです。

道義上良くない例ですが、こんなことも出来ます。

当社の製品に競合があり、何とかしてその競合の検索結果より上位に表示させたいとします。
一般的なウェブ担当者の考え方だと「難しい」という通り一遍の回答です。
しかし、アフィリエイター視点で考えた場合、ネガティブワードでの攻撃を思いつきます。例を挙げると「競合製品名 悪評」「〇〇社 悪口」などです。
これらのキーワードはSEO対策されていない事が多いので、競合の商標関連ワードで上位を独占できる可能性があります。

でね、上記の様な事を外注に頼めますか?会議で発表できますか?多分無理です。また稟議書が通らないので予算確保が出来ません。
しかし、スキルが集中しているとこんなことも自分だけで簡単に出来てしまうのです。

逆にいえばこのような事をしている営業マンに勝てると思いますか?思いませんよね?自分の想像の範囲外で何やら色々とやられても対策はとれません。見えない球は打てません。
かりやすい商標ワードやビックワードでこれらをやってもあまり意味はないかもしれませんが、それ以外にも応用できる考え方は沢山あり、リアルセールスの視点でキーワード選定をするとニッチワードで上位を独占する事も結構可能です。

現に、くまおさんの商品はニッチワードで上位独占しているものが沢山あります。そしてそれらはおそらく、くまおさんしかSEO対策してないキーワードなので半永久的に他社に荒らされません。(※BtoB化学品の会社でSEO対策やウェブ広告出稿をしている会社は皆無です。)
こういった土壌はどんな会社でも必ず存在します。ただし、SEO会社に頼んでも多分結果は出ないと思います。
SEO会社で働いている従業員はその様なキーワードを考える様に訓練されていません。また、それが出来るなら雇われ社員ではないでしょう。自分で広告運用して製品を売った方が稼げるはずです。

この様な考え方はリアルセールスで学びました。ざっくりいうと「ライバルの居ないところで戦う」という事です。ウェブでは手つかずの池が無限に広がっています。
しかし、手つかずの池を見つける嗅覚はリアルセールスやアフィリエイトで学ぶ必要があります。

多くの人が勘違いしてますが、トップセールスマンとは口がうまいわけではありません。トップセールスマンは「どのように売ろうか?」という事は考えておらず、「だれに売ろうか?」という事を常に考えています。どうやって魚に餌を食わせようか?ではなく、魚の沢山いる池を探します。

この考え方が抜群に上手なのがアフィリエイターです。くまおさんも最初の頃はウェブとリアルを区分けしていたので戸惑いました。
ただし、多くのアフィリエイターはコミュニケーション能力に難ありの一般的には社会不適合者と言われるクラスターに属します。ですから、一般企業が彼らと直接出会う事はまずありません。ここもスキルの分散が悪影響を及ぼしています。

ちなみに、リアルセールスのスキルとウェブスキルではリアルセールスのスキルの方が習得が困難で時間がかかります。

くまおさんよりも、アフィリエイターとして優れている人は沢山います。セールスとして優秀な人もいくらでも。また、ウェブをきれいに構築できる人も、SEOの知識がすごい人、ライティングが上手な人、広告出稿最適化に長けている人も数えきれないほど存在するでしょう。でもね、くまおさんの様に「スキルが集中している人」はまずいないと思います。少なくともくまおさんは出会ったことがありません。

ですから、手前味噌ですが、多分くまおさんが企業のウェブ担当をすればかなり結果を出せると思います。自分で出来なくても、何をすればよいのか、だれに頼めば適切なのかを判断する事は可能です。
ただね・・・「スキルの集中」という概念は数字で測れないし、外部に開示しにくいという事があります。各々の分野ではくまおさんは大したことないわけですから、分野で絞ると埋もれます。端的に言えば、履歴書に書けないスキルなのです。

そしてインセンティブを設定しにくいのでこの様なスキルの集中は社内で育てる事は不可能です。従業員を教育しても無理です。そう、無理なの。諦めてください。

既に知人の会社でECコンサルタントとしては一定の結果を出せたので、今後の課題として、これらのスキルを上手に発信してウェブコンサルティング事業を拡張したいなと思っています。