じゃあ、どうやって実行するの?

テレビを見て「あーすればいい!」とか、会社の末端で「なんでこういう風にしないんだ!」とか、お客様対応に対して「もっとこういう仕組みにすればいい!」などと言う人々がいます。

建築関係の話題で、くまおさんのファーザーがテレビを見ながらこんなことを言っていました。ちなみにファーザーは建築士です。

ファーザー
「なんで裁判で大学の教授に意見を求めるんだよ!現場の人間に聞かないと本当の事は分からないんだよ!」
くまおさん
「しょうがないじゃん。現場の担当者は第三者に分かるように文章を書く訓練はしていないし、そもそも忙しいから協力しないよ。」
ファーザー
「じゃあ、現場の話を聞いてまとめればいい!」
くまおさん
「だれが?」
ファーザー
「・・・弁護士!」
くまおさん
「弁護士なんてもっと専門家じゃないじゃん(笑)」
ファーザー
「ぐぬ・・・。」

こんなやり取りを年中行っています。技術者はとかくこのような発言をします。

例えばコールセンターの対応マニュアルがおかしいと現場の担当者が感じたとしましょう。それを変える為にはマニュアルを変更しなければなりません。マニュアルを変更する為には、その管轄のトップに話を付ける必要があるでしょう。場合によっては幹部会等の決済稟議が必要かもしれません。では、あなたにそれらをやり切るパワーと行動力、社内権限はありますか?いくら正しい事でも実行出来なければ負け犬の遠吠えです。そのパワーがないならばそれは自分のせいであり、マニュアルがおかしい事に気が付いているのに変更できないのはあなたのせいでもあるのです。だって、気が付いちゃったんだから。

会社員生活では「気が付かない事の幸せ」が確実に存在します。

さて、くまおさんは別事業で化学薬品メーカーを運営しているのですが、当初様々な人から「代理店制度」を敷いて事業展開を行おうと言われました。くまおさんはウォーターサーバー会社に在籍していた際に、代理店募集の担当を行い、スーパーバイザーとして代理店の対応をし、本部員として代理店の管理に携わりました。そこで感じた事があります。「途方もない費用が掛かってなおかつ面倒。こりゃあ大変だわ。」という事です。

くまおさんに代理店展開のアドバイスをしてくれる人がいますが、そういった人は具体的な実行プランを持っていません。「代理店展開をして・・・云々」とか、「エリア制が・・・云々」とか、「バッティングが・・・云々」とか・・・。
そういった問題にあたる前にもっと目の前の課題が山積みです。そういう人々に「じゃあ、どうやって実行するの?」と質問すると言葉に詰まりました。
中には何とか絞り出して「〇〇が何とかなれば出来る!」などと言う人がいます。そういう人にくまおさんは畳みかけます。「その〇〇は何とかなるのですか?ならないですよね?という事は現実問題としては実行できないという事になります。じゃあ、どうやって実行するの?」と言ったりします。

現実問題として実行できるか出来ないかというのはとても大切な観点です。
理想を語る人の多くが現実の実効性を無視しています。
会社の大小によって許容されるコストは異なります。「費用があれば・・・」「時間があれば・・・」という人がいますが、費用は無いし時間もないのです。「じゃあ、どうやって実行するの?」という問いかけが重要です。

費用もないし、時間もないけどどうやって実行するのか?を考えるのがビジネスだとくまおさんは思っています。

先日、弊社の出来ない営業マン(57)からこんなことを言われました。

出来ない営業マン
「低い目標(※損益ラインに達していない)を出すと低すぎると言われ、高い目標をだすとどうやって達成するんだ?と言われる!じゃあ、どうしたらいいんですか?!」

おいおいおい、何逆切れしてんだよ・・・。
利益を出せる適切な目標を設定して、その為の実行プランを考えるのが営業マンでしょ・・・。

根本的な概念が間違ってるので、教育は多分無理だと諦めました。給料を削る方向で緩やかに着陸させます。孵らない卵は孵らない。

くまおさんも色々と作戦を考えたり、思いついたりします。その都度自分に聞きます。「じゃあ、どうやって実行するの?」