「何でもいい」と言う言葉に責任を持ってほしい

くまおさんはあまり優柔不断な方ではありません。
レストランでもメニューをすぐに決めます。その理由は一期一会じゃあるまいし、ベストじゃなくてベターでいいからです。別に毎回毎回最高の選択をする必要はないし、決断が早いという事はそれ自体に価値があると思っています。

くまおさんの奥さんはレストランでメニューを選ぶのに時間がかかります。奥さん曰く「折角のチャンスなのだから最善を尽くしたい」という事らしいです。その気持ちも分からなくありません。ですから、くまおさんはレストランでは奥さんの選択を待つことにしています。そして、奥さんがこれもいいな~あれもいいな~と言い出したらこう言います。

「2つ選んでいいよ。提供されて食べたいほうを奥さんが選べばいいから。もう一方をくまおさんが食べる。」

これは結構画期的な発明だと思います。ケーキ屋さんでもアイス屋さんでも、奥さんが迷いだしたら、なるべくそう言う様にしています。くまおさんもその時に食べたいものがあったりしますが、日本のレストランや飲食店を基本的に信用しているので「まあ何でもそれなりにうまいだろう」と考えています。日本国を信用しているのでベターで十分満足できます。外国だったらちゃんと選びます。

一口食べて「やっぱりそっちがいい」と言われれば交換します。
「一口ちょうだい」というのも奥さん以外には絶対に言いません。とは言え相手から誘われれば食べます。くまおさんは「一口食べさせて」と言われることには特に抵抗はありませんが、抵抗がある人がいることも知っているので、わざわざそのリスクをおかしには行きません。

常にベストの選択をする必要はないと本気で思っています。ベターで十分です。ベストを選び続けなければならないという精神的な負荷の方が嫌です。レストランでの食事くらい何も考えずにしたいと思ったりします。

パレートの法則に近いものがあります。多くの事柄で、20%ベターな決断で80%の果実が手に入ります。80%が手に入れられれば十分です。残りの20%は費用対効果が悪いので不要です。それは職人の世界で極めればよい話でくまおさんの守備範囲外です。

ですからくまおさんが言う「何でもいい」と言うのは本当に「何でもいい」という事です。相手に決断をゆだねたのだから、相手の判断にケチを付けるなどと言う無礼なことは絶対にしません。ところが世の中にはそうではない人が多く、くまおさんは理解に苦しみます。

「何でもいい」と言っているにもかかわらず、くまおさんが決断を下すと不満を口にする人がいます。それが重なるとくまおさんは怒ります。
そして、その発言が予想できる人と一緒にいる場合は先回りして出口をふさぎます。

くまおさん
「お昼なにがいいですか?」
Aさん
「何でもいいよ。」
くまおさん
「いやいや、何でもよくないでしょ。選んだ後にクレームがつくのが嫌なのでAさんが選んでください。くまおさんは本当に何でもいいので。」
Aさん
「・・・・・。」

Aさんが選んだランチにはくまおさんは絶対に文句を言いません。多くの人は何気なく発言する「何でもいい」と言う言葉に気を付けてた方が良いと思います。

誰かの決断に対して代案なくケチをつけるのは最悪です。
くまおさんは奥さんが準備してくれた食事には絶対にケチを付けません。それは奥さんが考えて決断して、提供してくれているものだからです。決断するという負荷を受け入れてくれている人に対して代案もなしに意見を言うなどと言う無礼なことはたとえ身内でも許されないと思っているからです。

昔の記憶ですが、小学生の頃に1度だけ母親の料理に文句を言ったことがあります。小魚の素揚げでした。その時に母親から「それなら食べなくていい!」と怒られたことが今でも鮮明に記憶に残っています。それ以来提供された料理に文句をいう事は絶対にありません。子供でしたが、怒られた事に妙に納得したんですね。

ただし、お金を払って食べているものは別ですよ。それはあくまでも仕事ですから。

どんな些細な事でも、決断するという事は精神的な負荷がかかります。普段の何気ない事でもそれを受け入れてくれる人には敬意を払うべきです。だからこそ意見するのはルール違反です。

この考え方で奥さんと定期的に小競合いになります。

奥さん
「くまおさんは何でも勝手に決める。」
くまおさん
「じゃあ、奥さんが決めてよ。決めないからくまおさんが決めるんだよ。」
奥さん
「くまおさんが決めたことには意見も言っちゃいけない訳?」
くまおさん
「そりゃあそうでしょ。代案なく文句を言われるのはすごく嫌。だったら奥さんに決めてほしいし、最初に言ってほしい。くまおさんはそもそも何でもいいんだから。後出しじゃんけんはルール違反。」
奥さん
「私は何も言っちゃいけないの・・・?」

奥さんの言う事も脳ミソではわかるので、小競合いを避けるために、くまおさんもなるべく自分で決断しない様に心がけているのですが、どうしてもタイムリミットがある事に関しては決断せざるを得ない場合があります。その場合、くまおさんは「ベター」で十分だと思っているので、「ベスト」を目指す奥さんと相違が出るわけです。
でも、「ベスト」を目指すのは大変だし、代案が無い事も多いので上記の様な小競合いになります。「じゃあどうするの?」と言いたくなってしまうのです。

会社組織でも理想ばかり掲げて実行できない人がいますよね?
「話は分かった。じゃあどうやって実行するのか教えてくれ。」というと、もごもごしだす事ってありませんか?
くまおさんはそう言うやりとりが大嫌いです。じゃあ言うなと。
くまおさんは日々「理想」と「実現の可能性」を考えながら仕事をしているのに、無責任なこと言ってんじゃね~と思うわけです。実現の可能性を無視して理想だけ言っていればいいならどれだけ楽な事か。

政権を奪取する気がそもそもない共産党委員長みたいな無責任発言は大嫌いです。