人は育たない。孵らないたまごは孵らない。

度々、くまおさんの営業論を展開していますが、とても一般受けが悪いです。
会議でこの手の発言をすると村八分にされます。

一応、それなりの修羅場をくぐってきたつもりで、正直に訴えていますがタブー視されている事が結構あります。

くまおさんは「人は育たない」と思っています。
教育しても無駄だと思っています。

下の句があります。

「人は育たない。人を育てることは出来ない。育つ奴は勝手に育つ。孵らないたまごは孵らない。」

よく、「あいつは俺が育てたんだ!」などと言っているシニアがいますが、何言ってんだかと思います。
仕事内容を覚えて熟練してゆくタイプの仕事であれば「育つ」かもしれませんが、営業マンに関していえば「育つ」事はありません。
成績が良い営業マンは入社当時から営業成績が良いです。ドラマじゃあるまいし、ある時突然成績が良くなるなんてことはありません。そして、教えていれば徐々に育ってゆくというのも勘違いです。

育つ奴は放置していても育つし、厳しくしていても育ちます。何も教えないでも勝手に勉強するし、どんどん知識を吸収します。
90%以上の世の中の商材において、販売成績と知識量は関係ありません。商品の事をあまり知らなくても売ってくる奴はどんどん売ってきます。残酷な営業マンの真実です。

叱って伸びるタイプなんていないから(笑)
みんな褒めてもらって伸びるのです。

スラムダンクのフクちゃんだってそうだったでしょ?オジサン、オバサンになるとみんな忘れてしまうのです。

今まで、成績の残せない営業マンを大量にみてきました。くまおさんの直接の部下になったことも何度もあります。
その度に懇切丁寧に教えたり、現場同行したり、見せてあげたり色々と指導してきました。ところがだれ一人として育ちませんでした。そもそも、人を育てるなんておこがましい事は言えません。
くまおさんの経験上、売上の悪い営業マンが劇的に改善する様は一度も見たことがありません。一度もです。何百人もの営業マンと接してきましたが一度も見たことがありません。

ですから、社員教育は無意味なのでやめて問題ないと思います。
その資金を別の所に割り振るのが賢い選択です。売れている営業マンへ割り振るのか、売れない営業マンでも売れるような仕組み作りへの資金として投下するのか等様々な選択肢があると思います。

こういう事を上場企業の会議室で発言すると村八分にされるので気を付けた方がいいです。

くまおさんも新卒の頃は情熱にあふれて部下を指導していました。そんな時にブラック企業の副社長から言われたことがあります。

副社長
「おい、くまお。おまえ〇〇ばかりに目をかけて他の管理がおろそかになっていないか?」
くまおさん
「はい、彼は頑張っているのですがなかなか結果が出ないので、教えてあげようと思いまして。」
副社長
「なに馬鹿なこと言ってんだ?真面目に頑張っても結果が出ないならもう出ないぞ。それよりもサボってる△△がいるだろ?あいつをさぼらせない様に動かせや。」
くまおさん
「・・・・確かに・・・」

頑張っても結果が出ない場合、それ以上施しようがありません。サボっていて結果が出ないならばサボらなければ結果が出るかもしれません。しかし一般的な企業では上記とは逆の評価がされます。

残酷な真実ですが、受精卵と同じです。

孵らないたまごは孵らない。

無精卵はいくら温めても無駄です。
これが営業現場のリアル。